“ミュージカル界のプリンス”と呼ばれる俳優の井上芳雄さんが、WOWOWで8日に放送される米国演劇界の祭典「第69回トニー賞授賞式」のスペシャル・サポーターに昨年に引き続き就任し、このほど、東京都内で取材に応じた。俳優の渡辺謙さんがミュージカル主演男優賞にノミネートされたことでも注目されているトニー賞の見どころを語った。
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トニー賞は1947年に創設され、今回で69回目。ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで開催される。演劇とミュージカルそれぞれに、作品賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、技術賞などがあり、合計26部門と特別賞を授与する。ニューヨーク・ブロードウェーの劇場で公演された作品が対象で、850人以上の関係者の投票で決定。司会は、アラン・カミングさんとクリスティン・チェノウェスさんが務める。
昨年に続き2度目のスペシャル・サポーターを務める井上さんはトニー賞を“演劇界のオリンピック”と表現する。「ブロードウェーにはすごい俳優がいるんだと、いい意味で打ちのめされたい。世界のレベルはすごいんだと思い知らされたいし、そんな驚きや刺激が欲しい」と自身も刺激を受けているといい「(スペシャル・サポーターを)続けられてうれしい」と顔をほころばせる。
一方で、「取材やPRを通じてトニー賞が広がってきているなとは思うけれど、(日本での知名度は)まだまだだと思う」といい「今年は謙さんがいることで、一般的にも注目されている。トニー賞がどれだけすごいことかを発信していきたいし、しいてはそれが自分たちの演劇活動に興味を持ってもらう流れになればいいなと思う」と意気込む。
今回は、渡辺さんが「王様と私」でミュージカル主演男優賞にノミネートされ、受賞の行方が注目の的となっている。井上さんは「すごいことだと思う。日本人、アジア人がブロードウェーでやることの大変さをよく聞くので、その中で謙さんがやられていることは意味のある、夢のあること。遠い世界でやられていることかと思っていたのが、そうでもないのかもという希望につながるし、すばらしいことだと思う」と力を込める。
「去年、作品賞を取るかなと思っていた作品が外れて真剣に悔しい思いをした。この作品には勢いがあるなとか、そういうことを考えて見るのも楽しい」と授賞式の楽しみ方を熱弁する井上さん。「(演劇やミュージカルに)詳しくなくても番組の中でたくさん説明させていただくし、面白いなと思うのは人間のドラマ。人間が人間に与える賞なのでそこには何かしらの人生があるし、知った方が面白いと思う。受賞者のスピーチもその人の人生が出ているものが多くて面白いですね」と魅力をアピールした。
授賞式の模様は「生中継!第69回トニー賞授賞式」と題してWOWOWで生中継される。演出家の宮本亜門さんと俳優の八嶋智人さんが案内役を務め、女優でタレントの黒柳徹子さんがスタジオゲストとして出演する。8日午前8時からWOWOWプライムで同時通訳で中継。字幕版がWOWOWライブで13日午後8時から放送される。
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