注目映画紹介:「マッドマックス 怒りのデス・ロード」 30年ぶり新作は進化を遂げたアクション大作

映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のワンシーン(C)2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI)LIMITED
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映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のワンシーン(C)2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI)LIMITED

 カーアクション映画「マッドマックス」シリーズの30年ぶりの最新作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(ジョージ・ミラー監督)が20日に公開される。「マッドマックス」は1979年にメル・ギブソンさんの主演で公開された人気作で、81年に第2作「マッドマックス2」、85年に第3作「マッドマックス/サンダードーム」が公開された。30年ぶりの新作となる今作は、荒廃した近未来を舞台に、愛する家族を奪われた元警官マックスの自由と生き残りを懸けた戦いが描かれる。主人公のマックスをトム・ハーディさんが演じるほか、オスカー女優のシャーリーズ・セロンさんらが共演。日本語吹き替え版では、マックスの声を「EXILE」のAKIRAさんが担当している。

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 石油も水も尽きかけた世界で、元警官のマックス(ハーディさん)は、愛する家族を奪われ、本能だけで生きていた。資源を独占し、恐怖と暴力で民衆を支配するイモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーンさん)の軍団に捕らえられたマックスは、ジョーへの反逆を企てるジョーの右腕フュリオサ(セロンさん)と、配下で全身白塗りの男ニュークス(ニコラス・ホルトさん)と共に、奴隷として捕らわれた女たちを連れて自由への逃走を始める……というストーリー。

 マッドマックスが帰ってきた! 主人公を演じる俳優こそ代わったが、シリーズを手がけるミラー監督が携わっているため、30年ぶりでもコンセプトがぶれることはほぼない。荒廃した世界観に狂気の集団、そして所狭しと繰り広げられるカーチェイスなど、画面からほとばしる熱量は圧倒的だ。マックスらの予測不能なアクションは、コンピューターグラフィックス(CG)に頼らないが、迫力満点で最大の見どころ。そして孤独感にさいなまれるマックスの苦悩などドラマ要素も密度が高い。安易なシリーズの焼き直しや昔を懐かしむ雰囲気は感じさせず、バイオレンスと近未来のサイバーパンクな雰囲気が融合し、新たなる名作シリーズの誕生を予感させる。生身の人間がぶつかり合う迫力や緊張感をスピーディーな展開で味わえ、そのはじけぶりが見ているだけでストレス解消になりそうだ。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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