注目映画紹介:「ハイキュー!! 終わりと始まり」 人気バレーボールアニメを前後編で再編集

劇場版アニメ「ハイキュー!! 終わりと始まり」のワンシーン (C)古舘春一/集英社・「ハイキュー!!」製作委員会・MBS
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劇場版アニメ「ハイキュー!! 終わりと始まり」のワンシーン (C)古舘春一/集英社・「ハイキュー!!」製作委員会・MBS

 テレビアニメ「ハイキュー!!」を前後編で再編集した総集編の前編「ハイキュー!! 終わりと始まり」(満仲勧監督)が3日に公開された。「ハイキュー!!」は、古舘春一さんが「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中のバレーボールマンガで、今作の基となったテレビアニメ第1期が昨年4~9月に放送され、今秋には第2期の放送も決定。前編となる今作では、日向翔陽(ひなた・しょうよう)や影山飛雄(かげやま・とびお)らが所属する烏野高校バレー部の合宿や音駒高校との練習試合を中心に物語が展開していく。

ウナギノボリ

 テレビで見かけた烏野高校バレーボール部のエース「小さな巨人」に憧れ、バレーボールを始めた日向翔陽(声・村瀬歩さん)は、自分以外に部員がいない状態からメンバーを集めて公式戦に出場。しかし、「コート上の王様」と称される天才プレーヤーの影山飛雄(声・石川界人さん)に惨敗してしまう。雪辱を期す日向は烏野高校に進学し、バレーボール部に入部しようとするが、そこで影山と再会し……というストーリー。

 主人公が小柄ながらも驚異的な瞬発力と跳躍力を持つ……と聞くと、特殊能力系の内容を思い浮かべてしまうが、「ハイキュー!!」は細かな動きやバレーならではの特性をうまく取り込んだ本格的なスポーツものに仕上がっている。例えば、トス一つをとってもセッターの指からボールが離れる瞬間が繊細に描かれていたり、アタッカーが速攻や時間差を仕掛ける姿も美しい。学生時代にバレー部に所属した経験があるが、経験者の視点で見てもリアリティーを感じる。それぞれに秀でた能力を補い合うチームメートにしてライバルという日向と影山の存在、さらにスポーツものには欠かせない合宿ネタなど王道の要素を盛り込みつつ、決して予定調和な結果に終わらない展開に好感が持てる。大スクリーンで見るプレーには迫力があり、テンポよく進むストーリーは仲間の大切さを訴えるなど青春群像劇としても楽しめる。9月18日公開の後編「ハイキュー!! 勝者と敗者」にも期待したい。TOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で2週間限定で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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