タレントのビートたけしさんが、「スモーク」(1995年)でベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いたウェイン・ワン監督の2016年公開の映画「女が眠る時」で主演を務めることが13日、明らかになった。たけしさんが自身の監督作品以外で映画の主演を務めるのは、04年公開の「血と骨」(崔洋一監督)以来、12年ぶり。若くて美しい女性を連れた謎めいた初老の男性・佐原を演じる。また佐原の年の離れた恋人・美樹を女優の忽那汐里さんが演じ、佐原と美樹のカップルに執着する小説家・清水健二役で俳優の西島秀俊さん、健二の妻・綾役で女優の小山田サユリさんが出演することも決まった。
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ついにクライマックス!「不適切にもほどがある!」
11日に東京都内で行われた映画の完成報告会見には、たけしさん、忽那さんら主要キャスト4人とワン監督が出席。12年ぶりの“単独”映画主演について、たけしさんは「最初は『ちょっと出てくれ』って言われて『ああそうですか、いいですよ。ウェイン監督、好きですから』って引き受けたら、もらった台本に自分の名前が一番最初に書いてあって、しかも情けない変質者の役で」と苦笑。出演を決めた理由を聞かれると「スケジュールが埋まってなかったのと、ギャラがもらえるから。お金をもらえるなら親でも殺す芸人ですから(笑い)。監督みたいな方にオーダーを受ければ、はせ参じるという態勢が事務所的にある」と冗談交じりに語ってみせた。
また、たけしさんは「手探りの状態が続いたんですけど、やってみて、役者としても監督としてもいい勉強になった」と撮影を振り返り、ワン監督については「監督は『OK!最高!今までで一番よかった』って言ってから『じゃあ、もう一回!』って言う、あまり信用しちゃいけない人(笑い)。『顔や表情に出さずに、はらわたが煮えくり返った感じを出してくれ』ってワケの分からないことも言われて、さすがは芸術家だなって思いました」と印象を明かしていた。
一方、血のつながらない年の離れた男性により、幼いころから“理想の女”に育て上げられてきた女性という、難しい役どころに挑んだ忽那さんは「美樹はなかなかない育て方をされてきたので、とにかく自分だけでは迷いに迷って(役を)見失うこともあった。クランクインまでに監督とは何度も会って、コミュニケーションをとらせてもらった」とコメント。撮影は「これからすぐに撮るシーンでさえも何か変更があるんじゃないかって、本当に予測不可能だった」といい「美樹が、どのように気持ちが傾いたとしても、自分はブレないようにって心掛けたし、監督は本当にいらないと思ったら、その場で判断してシーンを削ってしまうので、その感じが面白くも刺激的で、毎日が本当に面白かったです」と充実感をにじませていた。
「女が眠る時」は、スペイン人作家ハビア・マリアスさんの短編小説「WHILE THE WOMEN ARE SLEEPING」が原作。ワン監督にとって初となる、オール日本人キャストによる邦画作品で、撮影は伊豆や東京で行われた。妻とバカンスを過ごすため美しい海辺にたたずむリゾートホテルへとやってきた小説家が、滞在初日にプールサイドで目撃した異様な存在感を放つ年の離れた男女のことが脳裏から離れなくなり、その執着心はストーカー行為へと発展。“狂気”をのぞき見ることになる……というサスペンス。16年公開。
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