話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は「ヤングマガジンサード」(講談社)で連載中のペトスさんの「亜人(デミ)ちゃんは語りたい」です。「ヤングマガジン」編集部の安友智さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
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バンパイアや雪女など、私たち人間とちょっとだけ違う存在、それが“亜人”です。そんな亜人の生態に興味を持つ生物教師・高橋鉄男の勤める高校に、ある年の春、突然亜人がやってきました、しかも4人も。こうして高橋鉄男と亜人たちの、ちょっとだけ刺激的な新学期が始まった……というストーリーです。
見どころとしては、作中ではデミと呼ばれている亜人が人間と当たり前に共生している社会で、どのように苦労や工夫をしながら暮らしているのかというSF的な楽しみと、登場する4人の亜人(デミ)ちゃんたちのとびきり健やかなカワイさかな、と思っています。
ペトスさんは、もともと4コママンガを描いてまして、ヤングマガジン誌上で読み切りデビューした時も4コマでした。何回か掲載された4コマの中の1本に、デュラハン(頭と胴体が分離している亜人)が登場するネタがあって、それが担当の私とヤンマガサードのチーフ編集者のお気に入りだったのです。当時、創刊準備中のヤンマガサードでは4コマでなくショートマンガの連載で挑戦することになっていたので、それならデュラハンを主人公に描いてみようと、そうしてできたネームが非常によい出来だったので、さらに広げてデュラハン以外の亜人も通う学園モノに発展させようと打ち合わせが進み、それがこの作品につながりました。
ペトスさんとは、昨年2月のコミティア(同人誌即売会)の会場で出会いました。当時の彼はアルバイトをしながら同人活動をしていて、その同人誌がとても面白かったので、後日会って話す機会を作ってもらいました。会うまでの間に、前述のヤンマガサードのチーフ編集者に同人誌を読ませて、創刊からの連載オーケーをもらっていたので、待ち合わせた新宿の喫茶店でいきなり連載のお願いをしたら、すごく驚いていたように思います。
--編集の際、苦労した点、面白かったエピソードを教えてください。
1巻のカバーイラストのラフをお願いした際に、お世辞ではなく、かなりいいモノがいくつも出てきたんですが、なぜかデザイナーも私もペトスさん自身も踏ん切りがつかず、結果20枚以上もラフを描くことになってしまって。初めての単行本作業をする彼に「ほかのマンガ家さんもこんなにも描くものなのですか?」と尋ねられ、「そんなことない」とも言えず、答えに窮しました(汗)。
9月に単行本第2巻が出る予定です。亜人ちゃんたちがどんどん増えていくというよりは、一人一人のキャラクターを掘り下げていく予定です。彼女たちが一つ一つ悩みを乗り越えて成長していく姿を、人並みだけれども彼女たちにとってはあるいは貴重かもしれない青春の一ページを、一緒にハラハラしながら見守りませんか? ヤンマガサードというヤンマガと付く中では、マンガ家も読者も最も若い雑誌でお待ちしてます!!
連載は時間差でニコニコ静画やpixivでも楽しんでいただけるのでそちらでもお待ちしてます!(ボソッ)
講談社 ヤングマガジン編集部 安友智
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