木村文乃:初の刑事役に「迷いはなかった」 現場では甘えん坊の一面も?

WOWOWの連続ドラマ「連続ドラマW 石の繭」で初の刑事役に挑戦した木村文乃さん(右)と共演の青木崇高さん
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WOWOWの連続ドラマ「連続ドラマW 石の繭」で初の刑事役に挑戦した木村文乃さん(右)と共演の青木崇高さん

 女優の木村文乃さんが初めて刑事役に挑戦するWOWOWの連続ドラマ「連続ドラマW 石の繭」が16日スタートする。猟奇殺人事件の犯人と女性刑事との息詰まる攻防を中心に、数々の伏線や謎をちりばめた最後まで目が離すことできないノンストップ・サスペンスだ。以前から刑事役を「やってみたかった」といい、実際に役のオファーを受け、「迷いはなかったし、『本格派』って付けられる作品になるんじゃないかって思った」と話す木村さんと、そんな木村さんが現場では「甘えっぱなしだった」という“相棒役”の俳優・青木崇高さんに、ドラマへの思いや互いの印象などを聞いた。

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 同ドラマは、麻見和史さんの警察小説「石の繭 警視庁殺人分析班」(講談社文庫)が原作。ある日、廃ビルの地下室から床にセメントで塗りこまれた死体が発見され、捜査会議が行われる。その最中に犯人から電話が入り、木村さん演じる警視庁捜査1課の刑事・如月塔子が交渉相手に指名される。殺人に関するヒントが提示されるが、第2の犠牲者が出てしまい……というストーリーが展開する。

 ◇役とのギャップに苦戦 「生きにくい性格なんです(笑い)」

 塔子は、亡き父の後を継いで警視庁捜査1課の刑事になった、正義感が強くて努力をおしまない女性。その半面、刑事としての経験は浅く、そそっかしくて、危なっかしい一面も見せる。木村さんは「塔子は刑事、刑事していないし、女の子らしい。監督(内片輝さん)も『これは塔子の成長の物語です』って言っていて。私自身、刑事役は初めてで、いい意味で“初めまして”の部分を出していけたらなって思いながらやらせてもらった」と振り返る。

 木村さんが役を演じるにあたって意識したのは、塔子の「揺れ」の部分。「私はどこかで一本(役に)筋を通して勝手にやってしまうから、役として揺らがなくなってしまう」と話す木村さん。「塔子は女の子らしい部分と意志の強い部分を持っていて。その二つが交ざりもしなければ、平行線をたどることもなく、つねに行ったり来たりしている。その表現がすごく難しくて……。それを表現しようとすると、私自身が揺れちゃっているんじゃないかって、ちょいちょい不安になったりもしましたね」とも告白。何事にも筋を通しがちで「生きにくい性格なんです(笑い)」という木村さんにとって、役との“ギャップ”は大きかったようだ。

 ◇初共演・青木崇高の素顔は「とにかくおちゃめさん」

 指導的立場から塔子とコンビを組んで事件の捜査にあたる鷹野秀昭を演じた青木さんは「激しいアクションがあったわけではないんですけど、ケガなく終わってよかった」と撮影を終え安堵(あんど)の表情。改めて刑事は「タフじゃないとできない」と痛感したといい、「寝られない、足で稼がなくちゃいけない、推理するのにつねに頭がさえてなくちゃいけないし……。あとは書類にまとめて報告し、会議にも出る。『感情的になるな』っていうせりふがあるんですけど、感情があるからこそロジカルに物事を考えることができるって部分もあって。頭をクールに、冷静でありながらもがむしゃらにっていう、本当に尊敬する仕事ですね」としみじみ語る。

 木村さんとは今回が初共演で「フランクにいろいろなことを先入観なく受け止めようとしている人。集中力が高い人だなって思った」と感心する青木さん。一方、木村さんから見た青木さんの素顔は「とにかくおちゃめさん」で、「ひょうきんというか、現場を楽しくしてくれて、私はそこに乗っかって『お兄ちゃん、お兄ちゃん』って、最後まで甘えてかまってもらっていました。ちょっかい出すたびに全力で返してくれて、サービス精神旺盛で、すごく優しい方でした」と楽しそうに語る。

 ◇青木崇高の優しい顔に「“はっ”としてしまいました」

 また木村さんは、青木さん扮(ふん)する鷹野についても「こんな優しくて、丁寧な上司ってなかなか出会えない」と人間性を絶賛。「いまの社会では、怒鳴られるか、放っておかれるかで済まされてしまう塔子に対しても、一から説明して、ちゃんと向き合ってくれる。接してもらうたび『しっかりしなくちゃな』って思いました」と塔子の気持ちを代弁。鷹野が塔子をねぎらい、受け入れる場面では青木さんが「すごい優しい顔をしていた」といい、「恋愛要素のないドラマなんですけど、“はっ”としてしまいました」と照れ笑いを浮かべていた。

 さらに木村さんは、警視庁捜査1課の神谷太一課長(段田安則さん)が、塔子にかけた「情だけで刑事にはなれない。みんな傷を抱えてやっている。それをどう乗り越えるかだ」との言葉が「大好き」と明かし、「刑事って完璧で、最強でってイメージがあったんですけど、相棒の方を亡くしていたりとか、傷を負っても『誰かのために』っていう思いを抱いていて。しっかり地に足をつけてやっているんだなって実感したというか、大好きなシーンになりました」と語っていた。

 ドラマはWOWOWプライムで16日から毎週日曜午後10時に放送。全5話で初回は無料放送。

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