幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催中の最新ゲームの祭典「東京ゲームショウ」が19日から一般公開される。毎回試遊に長蛇の列ができ、今年も人気タイトルの最有力候補に挙げられているのが「モンスターハンター」(カプコン)だ。今回はシリーズの最新作「モンスターハンターX(クロス)」(11月28日発売)とシリーズ初のRPGとして話題の「モンスターハンター ストーリーズ」(2016年発売予定)の2タイトルを一足先に体験してみた。
ウナギノボリ
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「モンスターハンター」シリーズは、プレーヤーがハンターとなってモンスターを倒していくハンティングアクションゲームの人気シリーズ。“モンハン”の愛称で親しまれ、シリーズ累計3200万本の大ヒットを記録している。
さて、なじみ深いハンティングアクションの方の「モンスターハンターX」だが、4種類の「狩猟スタイル」からスタイルを選べ、必殺技のような「狩技」も加わったのが新要素だ。
まずは小手調べということで、シンプル操作の「ストライカー」スタイルの大剣で初級の「ドスマッカオ」戦に挑戦したのだが、しっぽで立ちながらの攻撃が、こちらを微調整しつつ狙ってくるのが厄介なぐらいで、大きな事故もなく割とあっさりと倒せてしまった。シンプル操作というだけあって失敗がしづらく、「狩技」も最大の3種類を使えるので、初見でもほぼ危ない場面がなかった。ただ、「狩技」は次の一撃の威力が上昇するものや、敵の攻撃にひるまず強烈な一撃をたたき込むものがあったが、新モンスターの動きが分からないこともあってほとんどうまく使えなかった。
その後、上級の「ディノバルド」とも戦ったのだが、こちらはもう圧倒的な強さの前に、ただただ手が出ず、一度やられた後は時間切れ敗北という結果に終わった。太くて長いしっぽを振り回したり、矢のように鋭い火の玉をはいてきたり、しまいにはしっぽを自分でかじっていると思ったら、何がなんだか分からないままやられてしまった。まだまだ世の中には強いモンスターがいるということだろう。
モンスターに乗って攻撃することに重点を置いた「エリアル」スタイルで挑戦したのだが、通称“コロリン”と呼ばれる回避のモーションが小さくジャンプする新しいものに変わっており、モンスターに向かって“コロリン”すると、モンスターを踏み台に大ジャンプを繰り出す。大ジャンプ中に攻撃を加えていくと、モンスターに乗って有利な状況を作り出すことができるのだが、“コロリン”の動作が変わっているのでいまいち感覚がつかめない。攻撃を回避するために“コロリン”しても、モンスターの足元だと大ジャンプしてしまうので予想外の展開に混乱してしまうこともたびたびあった。大本の立ち回りから考え直す必要がありそうだ。
一方、シリーズ初のRPG「モンスターハンター ストーリーズ」はというとこれが予想以上に“モンハン”だった。グラフィックもこれまでのリアル路線とは一線を画す可愛いもので、フジテレビの新アニメ枠でのテレビアニメ化も決定と、キッズ層の新規ユーザーの取り込みを期待されているが、細かいところまで“モンハン”なのだ。
冒頭で自分の相棒となるモンスター「オトモン」のタマゴを取りにいくのだが、これはシリーズでもおなじみの「タマゴクエスト」そのものだ。採集すると「薬草」や「ハチミツ」が取れ、採掘では砥石が入手できた。薬草やハチミツを調合できるのもモンハンならではの要素だ。アイテムのアイコンなども細かい部分も従来シリーズとほぼ変わらず親しみやすい。
他方で「モンスターライダー」と名乗るだけあって、オトモンにまたがって移動できるのは単純に楽しい。戦闘ではオトモンと一緒に戦うことができ、戦闘中に絆が深まったら、オトモンに「ライドオン」して強力な技も繰り出せる。モンスターを狩るべき“獲物”としてではなく、“仲間”として、共に成長していくのは、これまでにありそうでなかった要素だ。シリーズのファンなら、数限りないモンスターを狩る中で、うっすらと願っていたことでもあったと思う。ちなみに記者の最初の「オトモン」は、おならで攻撃する「ババコンガ」だった。全く好きではない、むしろ嫌いなモンスターなのだが、「オトモン」にしてみると愛着がわいてくるのは不思議なものだ。
これまで同シリーズを全部遊んできた記者にとって、“モンハン”はずっと変わらない輝きを放ってきた。ただシリーズも11年が経過し、完成されているがゆえに、新鮮味が薄れてきたように感じていたのも正直なところだ。しばらくモンハンから遠ざかっていた知人に「今度の新作はどこが違うの?」と聞かれて、明確な説明ができなかったこともあった。
しかし、今回の「モンスターハンターX」と「モンスターハンター ストーリーズ」は違う。「X」は「戦い方のスタイルを選べたり、『狩技』という必殺技が出せるようになったんだよ!」と紹介できるし、「モンスターハンター ストーリーズ」に至っては「RPGだからアクションが苦手でも遊べるよ」とアピールできる。おなじみのモンハンが“新大陸”にたどり着いたといえるのが今回の2タイトルなのだ。
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