米マーベル・コミックの実写化最新作「ファンタスティック・フォー」(ジョシュ・トランク監督)が9日に公開される。同作は、特殊な能力を身に付けてしまった若者4人のヒーローチームが活躍する姿を描く。2005年に「ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]」、07年に「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」が公開された。今作は、新たなスタッフとキャストで、チームの誕生と、世界の危機に立ち向かうストーリー。思いがけず特殊な能力を持った若者らの苦悩や成長、壮絶なバトルに目を見張る。
ウナギノボリ
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発明オタクのリード・リチャーズ(マイルズ・テラーさん)と、同級生で相棒のベン・グリム(ジェイミー・ベルさん)は、物質転送装置の実験成功がバクスター財団の目にとまりスカウトされる。2人は、財団にいた科学者のスー・ストーム(ケイト・マーラさん)とジョニー・ストーム(マイケル・B・ジョーダンさん)らと転送装置を完成させ、異次元空間「プラネット・ゼロ」へのテレポートに挑むが、アクシデントが発生したことで不思議な能力を身に付けてしまう……というストーリー。
リブート作は、一般的な映画よりも好みが分かれやすいが、一番の違いは物語の展開の仕方で、今作ではリードの少年時代から始まり、転送装置が開発して事故が起きてしまうまでをじっくりと描いている。さらに、能力を身に付けたあともしばらくは研究にいそしむ研究者という立ち位置が中心となっていて、ヒーロー的な活躍やアクションは抑えめ。アメコミ映画らしいポップさや派手さよりもダークな雰囲気を醸し出している。超能力を得た4人の苦悩に焦点を当てるという“クロニクル”を撮った監督らしい演出には、ヒーローものとしてのカタルシスに物足りなさも感じてしまい、賛否が分かれるところだろう。圧倒的な強さを誇る超人的な存在であっても、葛藤したり思い悩んだりする姿は印象的で、ヒーロー誕生までの青春ドラマとしても楽しめる。TOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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