注目映画紹介:「図書館戦争 THE LAST MISSION」 パワーアップした戦闘と恋愛模様が描かれる

「図書館戦争 THE LAST MISSION」のワンシーン (C)2015“Library Wars -LM-” Movie Project
1 / 5
「図書館戦争 THE LAST MISSION」のワンシーン (C)2015“Library Wars -LM-” Movie Project

 人気グループ「V6」の岡田准一さんが主演し、有川浩さんのベストセラー小説シリーズを実写映画化した劇場版第2作「図書館戦争 THE LAST MISSION」(佐藤信介監督)が10日に公開される。今作は2013年公開の「図書館戦争 LIBRARY WARS」の続編で、前作で描かれた岡田さんが演じる堂上篤と榮倉奈々さんが演じる笠原郁のじれったい恋模様がさらに進化し、深い絆で結ばれた2人の関係に進展が見られる。そのほか図書隊の手塚光(福士蒼汰さん)と柴崎麻子(栗山千明さん)らいくつかのカップルの恋模様も描かれ、また前作よりさらにパワーアップした戦闘シーンなど見どころ満載だ。

ウナギノボリ

 「図書館戦争」は、「フリーター、家を買う。」などで知られる有川さんの人気小説が原作。本を検閲する「メディア良化隊」と本を守る自衛組織「図書隊」の戦いが描かれており、06年に1巻目が刊行され現在までにシリーズで600万部を突破している。映画最新作は、図書隊の堂上(岡田さん)、笠原(榮倉さん)が所属する関東図書基地の図書特殊部隊(ライブラリータスクフォース)に、この世に一冊しか現存しない「図書館法規要覧」をある展覧会の会場に運び、会場を警備するという命令が下り……という内容で、図書隊の存続を揺るがす事態が描かれる。

 今作の鍵を握るのは図書隊を解散させることでゆがんだ社会を正しくしようと一般人にプロパガンダしている手塚の兄・慧(松坂桃李さん)だ。慧は政府にも働きかけ、タスクフォース壊滅をもくろむわなを仕掛ける。慧は弟・光に図書隊の脱退を勧め、また笠原にまでアプローチするなど不穏な動きをする。そこから壮大な戦いに発展していくが、そんなミステリータッチのストーリーをベースにしつつも、一服の清涼剤のように恋愛模様が描かれ、そのバランスが絶妙だ。

 5日にTBS系で放送されたスペシャルドラマ「図書館戦争 BOOK OF MEMORIES」は今作と同じキャスト、スタッフで制作した。ドラマでは堂上と同期の小牧幹久(田中圭さん)と幼なじみで聴覚に障害を持つ中澤毬江(土屋太鳳さん)の関係を中心に、柴崎にアプローチしてくる博物館学芸員の朝比奈修二(中村蒼さん)ら新キャラクターも含めて人物にスポットを当てていた。映画ではそれらの関係の続きが描かれ、それぞれが最後はきれいにさやに収まったという印象。ラストには戦闘が集結した爽快感と恋愛の幸福感のどちらも味わえる極上のエンターテインメント作に仕上がっている。「図書館戦争 THE LAST MISSION」は10日からTOHOシネマズスカラ座(東京都千代田区)ほかで公開。(細田尚子/毎日新聞デジタル)

写真を見る全 5 枚

映画 最新記事