注目映画紹介:「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 2」 地球に逃れた兄妹の運命が動き出す

劇場版アニメ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 2 哀しみのアルテイシア」のワンシーン (C)創通・サンライズ
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劇場版アニメ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 2 哀しみのアルテイシア」のワンシーン (C)創通・サンライズ

 人気マンガ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」(KADOKAWA)を基に全4話で描く新アニメシリーズの第2話「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 2 哀しみのアルテイシア」(安彦良和総監督、今西隆志監督)が31日に公開される。アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインや作画を担当した安彦さんのマンガが原作で、今年2月に第1話「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 2 青い瞳のキャスバル」が公開された。第2話では、キャスバル(シャア・アズナブル)と妹のアルテイシアがサイド3を飛び出して地球に逃れ、エドワウ・マスとセイラ・マスという名で平穏に暮らすも、迫り来るザビ家の追っ手との攻防が描かれる。

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 スペースノイドの指導者であったジオン・ズム・ダイクンの遺児であるキャスバル(声・池田秀一さん)とアルテイシア(声・潘めぐみさん)の兄妹が、サイド3のムンゾ自治共和国を脱出してから3年が経った宇宙世紀0071年。ジンバ・ラル(声・茶風林さん)とともに地球に逃れたキャスバルとアルテイシアは、テアボロ・マス家に身を寄せ、エドワウ・マス、セイラ・マスと名を変えて暮らしていたが、彼らを狙うザビ家の魔の手が再び迫りつつあった。同じ頃、サイド3はジオン自治共和国と国名を改め、ザビ家が実権を掌握する中、地球連邦軍に対抗するため新兵器「モビルワーカー」の開発に着手し……というストーリー。

 第2話は地球へと逃れてきたキャスバルとアルテイシア兄妹の運命が風雲急を告げるという展開なのだが、なによりもエドワウ・マスことキャスバルの声を“ファースト”でシャア役だった池田さんが演じているのが感慨深い。テレビアニメよりも若い時代の物語のため、池田さんの声をも若さを強調したものとなっているが、シャアらしさを感じさせてくれ、やはりシャアの声は池田さんしかいないと再認識させられた。声つながりでいえば、原作では幼いアムロにはせりふはなかったが、アニメではテレビ版と同じく古谷徹さんがせりふをしゃべるというサービスカットも用意されている。前作に引き続き緻密で個性的なキャラクターが表情豊かに動き回る作画は完成度が高く、重厚な人間ドラマが楽しめる。モビルワーカーのメカアクションも充実しているほか、ランバ・ラルと黒い三連星の一人であるマッシュの激突も描かれるなど、まだまだ勢いは衰え知らずだ。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国15館で2週間限定公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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