福田沙紀:ドラマ「シークレット・メッセージ」に韓国語で出演「自分と向き合うストーリーがいい」

dTVオリジナルドラマ「シークレット・メッセージ」に出演し韓国語のせりふにも挑戦した福田沙紀さん
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dTVオリジナルドラマ「シークレット・メッセージ」に出演し韓国語のせりふにも挑戦した福田沙紀さん

 女優の上野樹里さんと、韓国の人気グループ「BIGBANG(ビッグバン)」のメンバーでもあるT.O.Pことチェ・スンヒョンさんがダブル主演するオリジナルドラマ「シークレット・メッセージ」が、動画配信サービス「dTV」で2日から配信がスタートした。今作は、日本の「アミューズ」と韓国の「CJ E&M」がグローバルプロジェクトとして制作したドラマで、LINEでのやり取りを通して引かれ合っていくというラブストーリーが展開する。上野さんがスランプ状態にある舞台女優のハルカ、T.O.Pさんが映画監督を目指す青年のウヒョンを演じるほか、福田沙紀さん、「CROSS GENE」のシン・ウォンホさんら日韓の俳優がそろっている。ゲストハウスのアルバイトで、ウヒョンに思いを寄せるマリコ役で韓国語のせりふにも挑戦した福田さんに話を聞いた。

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 ◇独学で学んだ韓国語を生かして出演

 今作への出演が決まり、「個人的に7年前からプライベートで韓国語を独学していて、いつか韓国と関わりのある作品に出られたらと思っていたので、まさかと思いましたがとてもうれしかった」と福田さんは喜ぶ。「すごく楽しみでワクワクしていました」と撮影を心待ちにしていたという。独学で学んだという韓国語については「(韓国語を)しゃべれるといわれると結構プレッシャーですが、大きな声でいっておきますが“独学”なんです」と謙遜する。「本格的な勉強ではなく個人的に細々とやってきたものですし、普段使う韓国語ではなくせりふの韓国語なので、またちょっと違う感じでやりました」と説明する。

 韓国語を学ぼうと思ったきっかけは「たまたま友だちが勉強していて、友だちがやっていれば自分も長く続けられるかなと思った」といい、「例えば『お水』はなんていうんだろうとか、『お疲れさま』はどういうんだろうとか、気になることから調べました。そうすれば1回で覚えられる」と勉強法を明かす。韓国語とともにK-POPも好きだといい、「音楽を聴いたり、ドラマや映画を見たりするのも私にとっては(韓国語の)勉強の材料なので、よく聴きますし、よく見ます」と笑顔を見せる。

 ◇日本と韓国の違いに驚きと感心

 ドラマで福田さんは韓国語でマリコ役を演じている。「今まで(韓国の)作品を見ていたのもあったので、なんとなく自分の中での(韓国語の)イメージがありました」と演技について語り、「新しい驚きや発見がたくさんありました」と韓国の監督の演出や発想に刺激を受けたと話す。

 中でも男女の関係に違いを感じたといい、「女性は男の人に“言葉でいわなくても分かるでしょう”みたいなのが日本にあるとするなら、韓国はそれをもっとはっきり言葉で言うような感じ」と印象を語る。さらに「(マリコが)胃もたれになるシーンで、私は初め普通の胃もたれだと思っていたのですが、現場に行って演出を受けて分かったのですが、この作品では倒れ込むほどの相当な胃もたれなんです(笑い)」と説明する。

 日本と韓国の文化の違いにも興味を持ったという福田さんは、「親指から針で血をちょっと抜くみたいなシーンがあったのですが、日本ではそういうのはなく、文化の違いも表現されていて面白かった」と感じ、「どちらかというオーバーなふうに見えるかもしれませんが、素直に感情を出している感じ」と演出の印象を語る。

 ◇共通点と相違点を役作りに生かす

 福田さん演じるマリコは、T.O.Pさん演じるウヒョンに思いを寄せ、ウヒョンの先輩であるソンジュン(キム・ガンヒョンさん)からは積極的にアプローチされるという役どころ。「マリコはすごく愛らしいキャラクターで、ちょっと突拍子もないところもある不思議な感覚の持ち主」と人物像を語り、「そういうところを表現したいと思ったし、監督からは『ソンジュンとマリコはちょっとコミカルなキャラクターであってほしい』といわれたので、意識してお芝居しました」と振り返る。

 自身とマリコで似ている部分はあるかと聞くと、「黙っているなと思ったら、まったく違う話題を突然話し出すような感覚など、マリコは独特なセンスの持ち主と思ってやりましたが、(自分には)そういうところはあまりないかな……」と話すも、「いざとなって自分の思いを伝えたいけれど伝えられないというところは、ちょっと似ているなと思います」という。続けて、「(好きな相手が)自分のことを慕ってくれてはいるんだけれど、妹分的な存在でとどまってしまうところはすごく分かる」と共感する。

 共演したT.O.Pさんからは「台本以上に魅力的にマリコを演じてくれてとても光栄でしたというふうにおっしゃっていただきました」と喜ぶ。

 ◇T.O.Pの印象はチャーミング

 共演したT.O.Pさんの印象を、福田さんは「すごく真っすぐで、とてもチャーミング」と表現し、「本当に表現に長けた方で、BIGBANGとしてのT.O.Pという人と、チェ・スンヒョンという芝居での表現という部分でとても芸術的な感覚に優れた方だと思いました」と称賛する。

 T.O.Pさんの人柄を表すエピソードとして、「カフェのシーンでマリコやソンジュンの前にスイーツがあったのですが、(T.O.Pさんが)それをじっと見ていらっしゃったので、『甘いものは好きですか』と聞いたら『好き』みたいな感じでいわれて、『食べますか』と聞くと『大丈夫』といわれたのですが、(T.O.Pさんは)じーっと見ていました(笑い)」と素直な感情表現をほほ笑ましく見ていたという。

 T.O.Pさんとガンヒョンさんとは休憩時間も基本的に韓国語で会話していたが、「T.O.Pさんはたまに日本語をしゃべってくださいましたし、(本番中に)アドリブで突然、日本語でしゃべり出したときもありました」と明かす。「ぬいぐるみを取ってもらって喜ぶシーンで、(ウヒョンが)『マリコ、可愛いこれ』と突然、日本語でいったことがあった」と話し、「韓国語でアドリブが来ると思っていましたが、まさか日本語で来るとは思っていなかったので、すごくびっくりした」と撮影時の驚きを思い返していた。そして、「マリコが逆にハッとしましたが、サービス精神が旺盛な方だと思いました」と感想を語る。

 ◇出会いをきっかけに自分と向き合う物語

 福田さんの理想の男性像は「優しくて人を思いやれる人」といい、「私だけではなく、周りの人に対してそういう気持ちを持っている人がいい」と付け足した。「マイナス思考な方はちょっと苦手で、ネガティブな言葉を発する方よりは、前向きなプラスな言葉を選んでいる方に魅力を感じます」と続け、「とにかく一生懸命真っすぐに生きている人がいい」と力を込める。

 どんなデートをしたいかについては、「水族館が好きなので行きたい」と笑顔で語り、「初めてのデートだとしても、同じものを見るというのが好き」と好みを明かした。ただし、「水族館で気持ちよさそうに泳いでいるお魚を見て、『おなか、減ったな』と言わなければいいです」と話して楽しそうに笑う。

 LINEのメッセージが発端となる物語を「すごく現代的な自分たちの身近にあるLINEというツールを通して、そこから2人の過去の事情などが引き出されていく」と説明し、「それをきっかけにそれぞれが自分と向き合うというすごくいいストーリー」と深くうなずく。しかし、「LINEで突然連絡が来て、そこから恋愛なんて本当にあるのかなと、ちょっと思っちゃうかも」と話してほほ笑む。

 福田さんは今作の魅力について、「浮ついた恋愛ストーリーではなくて、(出会いが)自分との会話のきっかけになっていき、そして誰かを思ったり、誰かと会話するときにも『こうしてみよう』という変化のきっかけになっていたりするので、そういうところがこの作品では感じてもらえるのでは」と魅力を語る。そして、「携帯で気軽に楽しんで見てもらえるし、皆さんが見たいなと思ったときに見られるのも醍醐味(だいごみ)だと思うので、好きな時間に見て楽しんでもらえたらと思います」とメッセージを送った。

 ドラマは2日午後9時からdTVで第1話を配信。第2話以降は、毎週、月・水・金の午後10時から配信。ドラマの配信を記念して2日夕方には会員限定プレミアムイベントが行われ、その模様が生配信されるほか、第1話を先行視聴できる。

 <プロフィル>

 1990年9月19日生まれ、熊本県出身。2004年8月に開催された「全日本国民的美少女コンテスト」で演技部門賞を受賞。同年に放送されたドラマ「3年B組金八先生」(TBS系)で女優デビューし、07年に出演した連続ドラマ「ライフ」(フジテレビ系)で注目を浴びる。10年には明治座で初座長公演「つばき、時跳び」で主演し、14年には「ピーターパン」でミュージカルに初出演。主な出演映画に「津軽百年食堂」(11年)、「劇場版 SPEC」シリーズなどがある。

 (インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)

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