WOWOWは毎週土曜午後1時に「WOWOWオリジナルドキュメンタリー」枠として、「ノンフィクションW」と「国際共同制作プロジェクト」の2番組を両輪に、国内外のさまざまなテーマを扱ったオリジナルのドキュメンタリー番組を放送している。11月7日に放送される「国際共同制作プロジェクト イザベラ・ロッセリーニのグリーン・ポルノ」のプロデューサーを務めたWOWOWのロサンゼルス駐在員事務所の鷲尾賀代さんに、番組の魅力を聞いた。
ウナギノボリ
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イングリッド・バーグマンを母に持ち、ロベルト・ロッセリーニ監督を父に持つ映画界のサラブレッドであるイザベラ・ロッセリーニさんが、2008年からライフワークとして情熱を傾けているショートフィルムシリーズが「グリーン・ポルノ」です。これは、イザベラがさまざまな動物になり切って生殖行為を説明するシリーズで、最初は数分の短編作品でしたが、評判を呼び書籍化。その後舞台化され、イザベラは4大陸35都市でツアーを行いました。この番組はそんな彼女の素顔と舞台ツアーの裏側を描く情熱ドキュメンタリーです。
以前手がけた国際共同制作プロジェクトの「もしも建物が話せたら」の一エピソードをロバート・レッドフォード監督が制作され、そのご縁で彼の制作会社であるサンダンスプロダクションと今後の企画についていろいろと議論するようになりました。その中で彼らが温めていた企画の一つとして「グリーン・ポルノ」の話を聞き、斬新なアイデアと、何よりも手作りの低予算でも、どうしても伝えたいという情熱に感銘を受け、ぜひこの企画を日本でも伝えたいと思いました。
共同制作先の米国では「グリーン・ポルノ」もイザベラの認知度も日本よりは高いので、米国版は一切導入の説明がありません。その導入部分や説明部分を入れてもらうために理由を論理的に説明しなければなりませんでした。ただ私自身のこだわりとして、日本に向けた“日本”バージョンを作るのではなく、世界に向けたもので日本にも通じるものにしたかったので、米国以外の国で使用するための“インターナショナル・バージョン”としました。
2008年からアットホームに作っているシリーズなので、スタッフもイザベラも皆家族のように仲がいいのです。最初はどうやって“新参者”が入って行けばいいのか不安でしたが、撮影初日にその不安は吹っ飛びました。イザベラとも食事をしながらいろいろと話すことができましたし、監督とはその後、仕事を超えた友だち付き合いをさせていただいています。スタッフ全員でワールドプレミアを行ったサンフランシスコ映画祭で再会できたのも楽しかったですね。今、考えると家族の一員としてきちんと迎えてくれ、いろいろとクリエーティブな意見も聞いてくれた彼らに感謝しています。
なんといっても注目はイザベラの一人芝居部分です。さまざまな生物に扮(ふん)して彼らの生殖行為を彼女が自ら体現します。また日本語吹替え版はその声を藤原紀香さんが演じてるのでそこも見どころです! なにせイザベラの一人芝居で、インタビューをうけるのもナレーションもイザベラなので、スムーズに吹替え収録を行えましたが、11時間の長丁場で1日で撮りきりました。録音技師さんも「藤原さんは最後まで声が出ていて、のどが本当に強い。何か訓練されいるのかな」と感心されていました。
老若男女どなたでも、どんな世代でも楽しめる生命の神秘を感じる作品になっています。それでいて強いメッセージも秘めているドキュメンタリーです。ぜひ、ご家族そろって楽しんでいただき、命のつながりや多様性について感じてもらえればうれしいです。
WOWOW ロサンゼルス駐在員事務所 プロデューサー 鷲尾賀代
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