花江夏樹:「デジモン」新作で成長した太一演じる “売れっ子”でも「まだまだ勉強中」

「デジモンアドベンチャー tri.」で主人公・八神太一の声優を務める花江夏樹さん
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「デジモンアドベンチャー tri.」で主人公・八神太一の声優を務める花江夏樹さん

 アニメ「デジモンアドベンチャー」シリーズの最新作「デジモンアドベンチャー tri.」の第1章「再会」(元永慶太郎監督)が21日、劇場公開される。1999~2000年に放送されたシリーズ1作目「デジモンアドベンチャー」の続編で、小学生だった主人公・八神太一らが高校生になった姿が描かれる。成長した太一の声優を務めるのが人気若手声優の花江夏樹さんだ。「小学生の時にリアルタイムで見ていて、ずっと好きだった作品なので、出演できることが信じられない」と話す花江さんに作品への思いを聞いた。

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 ◇太一役はうれしいけどびっくり

 同シリーズはバンダイの携帯液晶ゲーム機から生まれたアニメで、初代「デジモンアドベンチャー」は、小学生の八神太一らがデジタルワールドという世界に飛ばされ、奇妙な生物・デジタルモンスターと冒険する姿が描かれた。細田守監督が手がけた00年公開の劇場版アニメ「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」なども人気となったほか、00~01年に続編「デジモンアドベンチャー02」が放送された。

 「デジモンアドベンチャー tri.」は初代の放送開始から15周年を記念して製作された続編で、全6章のアニメとして劇場上映される。「02」の最後の戦いから3年後が舞台となり、太一たちは高校生となって登場する。これまでは藤田淑子さんが太一を演じていたが、「tri.」では花江さんが成長した太一を演じるほか、細谷佳正さんや三森すずこさんらが出演する。太一のパートナーのアグモンは前作から引き続き坂本千夏さんが演じる。

 子供のころから「デジモン」ファンだったという花江さんは、オーディションで太一役に選ばれたといい、「オーディションは自信がなかった。藤田淑子さんが演じられていた少年時代の太一は元気で明るいけど、客観的に周りを見るキャラクター。一生懸命やったけど、自分には難しいと感じていた」と振り返り、太一役に決まった感想を「うれしさもあったけど、びっくりした」と話す。

 ◇声優交代で「批判があるのは仕方ない」

 花江さんは「(少年時代の太一を演じた)藤田さんとはお会いしていませんが、恥じないように演じたい。キャストが変わるのは難しいこと。作品のことを愛している方が多いので、批判があるのは仕方ない」と話すように、プレッシャーがあったという。

 しかし、前作から引き続きアグモンを演じる坂本さんとの共演をきっかけに気持ちに変化があったようで「坂本さんに『太一』と呼んでいただいた時に、(太一役が)しっくりくるようになった。不安だったけど、先輩方に『よろしく』と言われた時、肩の荷が少し下りたような気がしたんです」と語る。

 また、高校生に成長した太一について「(ほかのキャラクターと比べて)一番変化しているかもしれません。考え方が現実的なんです」と話し、演技で気をつけたことを「昔の太一のイメージを大切にしていますが、思春期特有の悩みもある。でも、(大人になったイメージを)やりすぎると太一にならない。仲間と会話しているシーンは昔のままで、進路や恋に悩むシーンは大人というのをイメージした」と説明する。

 ◇“売れっ子”な現状に…

 11年にデビューした花江さんはこの1、2年、「アルドノア・ゼロ」「四月は君の嘘」「東京喰種トーキョーグール」など人気アニメで主演を務めるなど“売れっ子”の若手声優として注目を集めている。花江さんは「以前は月に1本オーディションがあるかないか……というくらいだったけど、数年で劇的に変化した」と現在の状況に驚いている様子で、「事務所やスタッフの方、作品のおかげです。一つ一つの作品に対して全力でやっています」と謙虚に感謝の気持ちを述べる。

 活躍の一方で「まだまだ……と思うことだらけ。先輩方の芝居を聴いていると違いがある。まだまだ勉強しつつやっています」とも話し、成長中のようだ。

 「tri.」は全6章ということもあり「太一とは長い付き合いになる。ファンの方に(自分が)太一を演じてよかったと思っていただけるように努力していきます」と話す花江さん。「tri.」の今後の展開と花江さんの活躍が期待される。

 <プロフィル>

 1991年6月26日生まれ。神奈川県出身。「四月は君の嘘」の有馬公生、「アルドノア・ゼロ」の界塚伊奈帆、「アルスラーン戦記」のエラム、「東京喰種トーキョーグール」の金木研役などのほか「ダイヤのA」「食戟のソーマ」などに出演。

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