注目映画紹介:「通学シリーズ 通学途中」 片思いする方とされる方の両側の思いを切なく描く

「通学シリーズ 通学途中」のワンシーン(C)みゆ・エブリスタ(C)2015「通学シリーズ」製作委員会
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「通学シリーズ 通学途中」のワンシーン(C)みゆ・エブリスタ(C)2015「通学シリーズ」製作委員会

 小説投稿サイト「E★エブリスタ」で人気を集めたみゆさんの小説「通学シリーズ」を基に、中川大志さんと森川葵さんのダブル主演で映画化した「通学シリーズ 通学途中」(川野浩司監督)が21日に公開される。7日に公開された同シリーズの「通学電車」と登場人物や舞台が共通しているが、別のストーリーが展開する。今作では、別の男子に片思いをする女子高生と、彼女を温かく見守る同級生という“片思い”を軸にしたラブストーリーが描かれる。

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 内気で恋に不器用な女子高生・ユキ(森川さん)は、自分が通う塾の近くのコンビニでアルバイトをするキョースケ(赤楚衛二さん)に恋心を抱いている。だが、キョースケにはユカ(藤本泉さん)という恋人がいることを知ってしまう。現実を受け入れようとするが恋心が募るばかりのユキを、同じ美術部のコウ(中川さん)がいつも見守ってくれていたが……というストーリー。

 片思いという恋愛をする上では楽しくもつらい感情がテーマになっているだけに、“キラキラ”や“胸キュン”といった青春映画的な雰囲気は詰まっているが、どこか切なく胸に響く物語に仕上がっている。しかも、ヒロインのユキが「一人でいる方が好き」といいながらもどこか寂しさを漂わせる、いたって普通の女子高生なので、男性目線から見ても共感しやすかった。随所に登場する“星”というキーワードをからめたコウが発する“胸キュン”ワードは、聞いていると少々照れくさいが、中川さんがいうとカッコよく感じ、なぜか自然と受け入れてしまうのが不思議だ。「通学電車」ではとてもいい子に見えたユカが、「通学途中」では意外な一面を見せるのも少々怖いが興味深い。21日から渋谷HUMAXシネマ(東京都渋谷区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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