堺雅人:大河ドラマ「真田丸」主演も「無理はしない」 ドラマに懸ける思い

NHK大河ドラマ「真田丸」で主演を務める堺雅人さん=NHK提供
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NHK大河ドラマ「真田丸」で主演を務める堺雅人さん=NHK提供

 俳優の堺雅人さんが主演の2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」が1月10日、スタートする。大ヒットした主演ドラマ「半沢直樹」(13年、TBS系)も話題になった堺さんが、真田幸村の名でも知られている戦国時代の人気武将・真田信繁を演じ、人気脚本家の三谷幸喜さんが脚本を手がけることもあり、放送前から注目を集めている。大河ドラマの撮影は“日本一過酷”ともいわれるほどだが、堺さんは「6割くらいの気持ちで無理はしない。あまり根を詰めない。僕が引っ張っていく役でもない」と語る。堺さんに「無理はしない」理由やドラマへの思いを聞いた。

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 ◇即答で出演決める

 「真田丸」は、戦国時代に信州の小さな領主のもとに生まれた信繁が、家族とともに知恵と勇気と努力で乱世をサバイバルする姿が描かれる。三谷さんが脚本を手がけ、長澤まさみさんや大泉洋さん、草刈正雄さんらが出演する。

 堺さんは、三谷さんが脚本を手がけた04年のNHK大河ドラマ「新選組!」で山南敬助を演じたことも話題に。三谷さんの作品に出演できることを「三谷作品を50本(1年で50話)できることが魅力」と話し、オファーを受けたことを「主役などということを考えず即答だった。前回は途中で死んでしまったけれど、今回は最後までできる。主役ということを深く考えず、長くご一緒できることがうれしい」と喜ぶ。

 堺さんにとって大河ドラマは、「新選組!」のほかに、08年放送の「篤姫」の徳川家定役も話題になった。大河ドラマへの思いを「大河だから、こういうお芝居する……というのは、大河というブランドに失礼だと思う。伝統は大事だが、誰かのまねをするわけではない。素晴らしいスタッフ、キャストで面白いと思うものを作る」と語る。

 ◇ドラマの信繁は「僕に近い」

 堺さんが演じる信繁は大名ではないが、人気の戦国武将だ。上杉、豊臣などの人質(ひとじち)として過ごし、関ケ原の合戦では父・昌幸(草刈さん)とともに西軍に加勢し、西軍が破れたため、九度山に配流されてしまう。一方、関ケ原の合戦で東軍についた兄・信幸(大泉さん)は大名となる。兄の援助を受けながら九度山で暮らしていた信繁だったが、大坂の陣で豊臣方の武将として参加し、徳川家康を追い詰める。父や兄に比べると無名に近い存在だったが、大坂の陣での活躍が語り継がれ、人気武将となった。

 信繁は“猛将”とも呼ばれているため、堺さんのイメージとは結びつきにくいかもしれない。堺さんは「テレビゲームの影響なのか、信繁はムキムキなイメージがあって(堺さんが演じることが)大丈夫か? という声もあったらしいですね」と苦笑しつつ、ドラマで描かれる信繁について「それ(ムキムキのイメージ)よりは、僕に近いと思う。実直なサラリーマンのような人が、晩年になって恐ろしいほどの武将になる」と語る。

 さらに「真田丸」の信繁について「兄(大泉さんが演じる信幸)が、弟に対して、ほんわかしていて、一見とらえどころがないが、心に秘めた何かがある……と言葉を残している。それがドラマでもキーワードの一つになるかもしれない。実務の人で、真っすぐなお兄さんを支える2番手、3番手。窓際の人が一大プロジェクトに臨むことになる。その変化を楽しみたい」と話す。

 ◇何かと何かをつなげる部品になりたい

 大河ドラマの主演は大きな挑戦となりそうだが、堺さんは「6割くらいの気持ちで無理はしない。あまり根を詰めない。減量したり、増量したりしない。おいしいものを食べてゆっくり寝る。頑張る時に頑張る。定時に始まって、定時に帰る。あまり根を詰めない」とひょうひょうとした様子で語る。「無理をしない」のは、「僕が引っ張っていく役でもない。僕一人でなんとかなるのなら、たいした魅力にならない。何かと何かをつなげる部品になりたいんです」という気持ちがあるからだという。

 堺さんは、インタビュー中に真田家に関する逸話を語り出したり、「思い出作りです」と言いながらもプライベートで信繁のゆかりの地を訪ねるなどドラマに向けて研究を重ねている様子で、“智将”でもあり、“実務の人”の信繁に重なるところも垣間見えた。堺さんが「真田丸」で新たな信繁像を見せてくれるかもしれない。

 「真田丸」は16年1月10日からNHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。初回は15分拡大版。 

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