東日本大震災後の福島県を舞台にしたアニメ「みらいへの手紙~この道の途中から~」の完成披露試写会が東京・秋葉原であり、制作を担当した「福島ガイナックス」の浅尾芳宣社長やクリエーティブディレクターの箭内道彦さんらが登場。浅尾社長は「普段の見て楽しんでもらって完結するアニメとは違い、見て考えてもらいたいという思いで作りました。アニメを通して福島を改めて見てもらえれば」と話した。
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「福島ガイナックス」は、テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」などで知られるアニメ制作会社「ガイナックス」の新会社で、アニメ制作のほかミュージアムも展開している。
「みらいへの手紙~この道の途中から~」は東日本大震災後の福島県を舞台に、県内で起きた出来事や県民のさまざまな思いを描く実話に基づいた10話のオムニバスドキュメンタリーアニメーション。俳優のディーン・フジオカさんがストーリーテラー、モデルで女優の松井愛莉さんがタイトルコール、箭内さんがクリエーティブディレクターと、同県出身の著名人が制作に携わっている。アニメは、同県の公式ユーチューブチャンネル、特設ウェブサイトなどで公開するほか、大阪、名古屋、福島など全国で試写会も行う。
完成披露試写会には浅尾社長のほか、内堀雅雄福島県知事、松井さん、箭内さん、エピソード「ガレキに花を咲かせよう」の川尻将由監督、「あたしの先生」のモデルになったふたば未来学園の大関幸治さんも出席。内堀知事は「東日本大震災が起きてから、来月で丸5年になります。明るい部分と暗い部分がある福島の複雑な現状をアニメを使ってありのままを伝えたかった」と話した。
フジオカさんはビデオムービーという形で出演し「それぞれ違った思いがあって原稿を読んでいて重さに声が出なくなりそうな気持ちにもなった」と振り返り、「子供の頃に遊んだ阿武隈川や猪苗代湖の景色だったり、いろいろなことを頭の中に思い出すきっかけになり、やらせていただいてい光栄でした」とメッセージを伝えた。さらに浅尾社長は「こんな着地点にしたいという思いで実際に取材にも行ったけど、取材している内に違う着地点になった作品もある」と苦労も明かした。
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