パトリック・スウェイジさんとキアヌ・リーブスさんが主演した1991年の名作「ハートブルー」(キャスリン・ビグロー監督)が原案で、俳優に加えてサーフィンやスノーボード界のトップアスリートたちが生身のアクションを繰り広げる「X-ミッション」(エリクソン・コア監督)が20日に公開される。米連邦捜査局(FBI)の捜査官がアスリートによる犯罪集団に潜入し、友情と正義の間で揺れ動く物語が、大自然の絶景の中で展開される。
ウナギノボリ
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ジョニー・ユタ(ルーク・ブレイシーさん)は元エクストリームアスリート。わけあって選手を引退後、FBIの組織に入った。エクストリームスポーツのカリスマであるボーディ(エドガー・ラミレスさん)が率いるチームが、人間離れした技を駆使して前代未聞の犯罪を行っているとにらんだユタは、潜入捜査に当たる。潜入に成功したユタだったが、彼らと行動を共にするうちに、友情と信頼の情が芽生えていく……という展開。
最初から最後までずっと手に汗握りながら見てしまった。CGなし、迫力満点のアクションに目がくぎ付けになる。これが4大陸11カ国、海から山まで絶景の中で描かれるからなおさらだ。メキシコでのスカイタイビング、ベネズエラのエンジェルフォールでのロッククライミング……。大自然と人が一体となった風景は神がかりで、圧巻の一言に尽きる。物語は、元アスリートがアスリートの犯罪集団を捜査する展開。シーンごとにどんなスポーツが飛び出すかワクワクする。そのエクストリームは、主人公ユタにとって、ロマンと挫折の両方をもたらしたスポーツだ。捜査の過程で再びアスリート気分を味わい、その高揚感も伴って、チームのメンバーに友情と愛を感じる展開もストレートに心に響く。リーダーのボーディは犯罪に手を染めてはいるが、自然に敬意を表する信念のもと、哲学的で堂々と行動するストイックな男。観客の心をボーディの世界観に引きずり込む。
「G.I.ジョー バック2リベンジ」(2013年)のブレイシーさん、「ボーン・アルティメイタム」(07年)のラミレスさんが演じる男同士の友情は、互いの才能に敬意を払い、違いに気づきながらも認め合う大人の関係だ。ユタを大人の態度で見守るレイ・ウィンストンさん演じる上司もすてき。20日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほかで公開。(キョーコ/フリーライター)
<プロフィル>
キョーコ=出版社・新聞社勤務後、映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。今作のオーストリア・チロル州の風景が好きです。
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