ゆうばり映画祭:小林勇貴監督の「孤高の遠吠」がグランプリ 本物の不良が出演

グランプリを獲得して喜ぶ小林勇貴監督
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グランプリを獲得して喜ぶ小林勇貴監督

 北海道夕張市で開催中の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016」内で28日、クロージングセレモニーと授賞式が行われ、劇場版「あぶない刑事」シリーズなどの柏原寛司監督が審査委員長を務めたファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門では小林勇貴監督の「孤高の遠吠」がグランプリを獲得した。小林監督は「うれしいですね」と笑顔で喜び、「作り続けるんでまたみてやってください」と受賞後のあいさつで語った。

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 小林監督は1990年生まれの25歳。「孤高の遠吠」は実際の暴力事件をベースに、本物の不良を出演させて描いたバイオレンスムービー。小林監督は不良を使って映画を撮るようになったのは3作目といい、「友人が不良に拉致されリンチされた事件があった。被害者と加害者両方に話を聞いて脚本を書いて映画を撮った。そのとき、本物の不良を使おうと思って」と撮影の背景をコメント。次作の構想については、すでに同じく不良モノを撮り始めていると明かし、不良モノ以外の作品については「『屈しない人』をすごく(撮りたい)。やり遂げたい人に興味があって。反攻者ですよね。そういう人と映画は相性がいいと思ってます」と語った。審査委員長の柏原監督は「既成の映画にない素の魅力があった。荒削りのところがすごく作品の内容に合ってる」とグランプリ作品を絶賛し、「こういう分野じゃなく違う分野でも撮れる監督になってほしい。期待しています」と期待を寄せた。
 
 また、「セーラー服と機関銃-卒業-」などの前田弘二監督や俳優の須賀貴匡さんらが審査員を務めたインターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門は、石谷恵監督の「かたすみの鱗」がグランプリを獲得。石谷監督は「本当にびっくりしています」と驚き、「すみません頭がいっぱいで……ありがとうございました」と感激した様子で喜びを語った。

 「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」は1990年から毎年、同市で開催されており、今年で26回目。今回の招待作品は、オープニングが「エヴェレスト 神々の山嶺」(平山秀幸監督、3月12日公開)、クロージングが「レヴェナント:蘇えりし者」(アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督、4月22日公開)を上映。このほか「セーラー服と機関銃-卒業-」や「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」(ビル・コンドン監督、3月18日公開)、「アーロと少年」(ピーター・ソーン監督、3月12日公開)などの作品が上映された。また、薬師丸ひろ子さん主演の「セーラー服と機関銃」(相米慎二監督)も特別上映された。

 

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