WOWOWは毎週土曜に「WOWOWオリジナルドキュメンタリー」枠として、「ノンフィクションW」と「国際共同制作プロジェクト」の2番組を両輪に、国内外のさまざまなテーマを扱ったオリジナルのドキュメンタリー番組を放送している。3月5日午後1時からWOWOWプライムで放送される「ノンフィクションW 被災地に歌う『上を向いて歩こう』~大島花子・父と紡ぐ心のメロディー~」の番組プロデューサーを務めるWOWOW制作部プロデューサーの古谷秀樹さんに、番組の魅力を聞いた。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
今なお東日本大震災の被災地に通い続け、手作りのライブを届ける歌手・大島花子さんの活動を追いました。大島さんは昭和を代表する歌手、坂本九さんの長女。11歳の時、飛行機事故で最愛のお父様を亡くされました。30年たった今も悲しみは癒えることなく、被災者の方々にも「悲しみは無理に克服する必要はない」と優しく語りかけます。
そっと寄り添うように響く大島さんの歌声は、なぜ人々の琴線に触れるのか? 震災から5年がたった今、大島さんと被災地の方々の心の交流を描きます。
震災直後には多くのアーティストや著名人が被災地へエールを届けましたが、そういった活動も年々少なくなっているのではないでしょうか? そんな今でも東北に通い続け、仮設住宅や保育園で地道に慰問ライブを行っている大島さんに興味を持ちました。
「頑張ろう!」ではなく、「悲しみを無理に克服する必要はない」というメッセージ。そこに、父・坂本九さんを幼くして亡くされた悲しみが込められていると知ったとき、まだまだ心の復興が求められている今だからこそ、伝えるべき物語があると思いました。
何度か編集のチェックに行きましたが、ハンカチ必携でした。
制作者である我々が練り上げるどんな構成や演出よりも(?)、大島さんの温かな言葉と歌声こそに番組が伝えるべきメッセージが込められていると思います。番組はドキュメンタリーですが、大島さんの素晴らしい歌声も存分にご堪能ください!
WOWOWには報道や情報番組がありませんが、歌手・大島花子と彼女の歌を必要とする人々を通し、震災から5年がたった“今”を描いたつもりです。番組では、悲しみが癒えることのない方々、今も避難生活を余儀なくされる方々、そして故郷に立ち入ることすらできない方々と多く出会いました。番組をご覧になられた皆さんが、今の被災地について思いをはせるキッカケになれば幸いです。
WOWOW 制作部 プロデューサー 古谷秀樹
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