松岡修造:理想の上司1位は「圭のお陰」 錦織選手出場デビスカップの見どころ語る

WOWOWで放送する男子テニス国別対抗戦「デビスカップ」のワールドグループ1回戦「イギリス VS 日本」の解説を務める松岡修造さん
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WOWOWで放送する男子テニス国別対抗戦「デビスカップ」のワールドグループ1回戦「イギリス VS 日本」の解説を務める松岡修造さん

 テニスプレーヤーの松岡修造さんが、WOWOWで3月4日から放送する男子テニス国別対抗戦「デビスカップ」のワールドグループ1回戦「イギリス VS 日本」の解説を担当することになり、このほど、東京都内で取材に応じた。日本代表は世界ランキング6位の錦織圭選手を筆頭に、ダニエル太郎選手、西岡良仁選手、内山靖崇選手が出場予定で、前大会優勝国で世界ランキング2位のアンディ・マレー選手やその兄、ジェイミー・マレー選手が出場予定の英国とアウェーで激突。厳しい戦いが予想される中、日本代表へ「“接戦”はいらない。勝ってほしい」とエールを送る松岡さんに、試合の見どころなどを聞いた。

ウナギノボリ

 --前回優勝した英国とワールドグループ1回戦を戦うが。

 マレー選手が出てこないという願いはどこかであった。ただ、(日本代表の)植田(実)監督を含めて、強い英国に勝ってこそという思いもあると思う。しかも(アウェーの)英国で、優勝国、マレー兄弟という(日本にとって)最高の舞台。昔であれば、こういう場所で「(勝敗ということより)戦えてよかった」「夢のよう」という言葉で終わったと思うが、(今は)勝つ可能性は大きい。大きいというのはフィフティー(50%)以上ということではないが、相当(勝つ確率は)あると思う。

 --松岡さんが考える試合の見どころは?

 マレー選手は強い。デビスカップでとことん強いという気がする。どんなテニスをしていても、勝つということに対しての執着心がとてつもない。表現力というか、叫びながら、その叫びを力に変えてしまう人。一方、(錦織)圭は非常にクール。ガッツポーズもほとんどとらず、省エネをしながら戦う。これも結構まれなタイプで、(対戦するということであれば)見ている人が「錦織選手はあまり本気じゃないのかな?」って思ってしまうくらいマレーと(表現での)差が出てくるのではないか。そういうところも今回の面白さだと思う。

 --日本の勝利には錦織選手の活躍が必要だが。

 錦織選手の場合、(同試合は)個人戦じゃないということがプラスにつながっていく可能性がある。個人戦と団体戦というのは違う。マレー選手のテニスの雰囲気も違うと思うはず。そういう変化を圭はプラスに変えられる選手だと思う。マレー選手のよさ、このごろの強さは、圭も言っていたけど、「すごく攻撃するようになった」と。それがデビスカップになると、「絶対に負けないぞ」という気持ちから守りに入ると思う。守っても勝てるのがマレー選手だが、守ってくれるとうれしいのは圭。団体戦で当たるときのマレー選手の“違い”の部分を圭がうまく活用できれば勝利は見えてくるのではないか。

 --国別対抗戦への思いは。

 “テニス王国”でしかも昨年の優勝国である英国とワールドグループで戦えるって思うだけで、(日本の)テニス界はここまで来たんだな、と。でも、それは錦織圭という選手の活躍によって作られたものであって、デビスカップはチーム戦。圭1人じゃないというのを見せるのがこの大会だと思う。圭自身が僕にはっきり言ったことは「僕1人に任せられるのは困るんだ」「ついてきてくれないと僕がデビスカップを戦っている意味はない」って。それを証明する、圭の思いについていくという戦いでもあると思う。彼はデビスカップを大事にしてきているし、自分を育ててくれている大会と思っている。そういう彼の思いを(他の)選手は感じていると思うし、見ている僕らもそこを感じながら応援してほしい。

 --先日明治安田生命が発表した「理想の上司」アンケートで松岡さんは1位となりましたが、もし錦織選手に“上司”としてこの機会に声を掛けるとしたら?

 「圭のお陰だよ」って言うでしょうね。理想の上司に選ばれたのは(笑い)。別に理想の上司とは(自分では)思っていないけれど(笑い)。

 --最後に、今大会日本代表に期待していることは。

 “接戦”はいらない。勝ってほしいということ。日本の“接戦”って、「あと一歩だった」という感じで、最終的に「勝たなきゃだめだ」という思いで入っているチームはそういうときに強い。それは見ている側もそうじゃなきゃだめなんだろうなと思っている。だから、僕は勝たなきゃいけないんだという見方で試合を見ていきたい。

 *……松岡さんが解説する男子テニス国別対抗戦 デビスカップ ワールドグループ1回戦「イギリス VS 日本」の試合の模様はWOWOWで連日生中継。3月4日の第1日は午後9時55分からWOWOWプライムで、同5日の第2日は午後10時55分からWOWOWライブで、同6日の第3日は午後9時55分からWOWOWライブで、同試合のハイライトは同10日午後7時からWOWOWライブで放送。また、デビスカップの紹介番組「テニスのワールドカップ開幕!これが錦織圭が挑むデビスカップだ」を同4日午後9時半からWOWOWプライムで無料放送する。

 <プロフィル>

 まつおか・しゅうぞう。1967年11月6日生まれ、東京都出身。10歳で本格的にテニスを始め、高校2年生でテニスの名門である福岡県の柳川高校に編入。高校総体で単・複・団体で3冠を達成する。その後、単身米フロリダ州のハリーホップマン・テニス・キャンプに参加。86年にプロに。92年にKALカップで優勝、ステラアルトワグラスコート選手権で準優勝、95年にウィンブルドンでベスト8。98年のプロツアー卒業後はジュニアの育成に取り組んでいるほかスポーツキャスターとしても活躍している。

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