注目映画紹介:「映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生」 古代ロマン満載 勇気と友情の物語

「映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生」のワンシーン(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2016
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「映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生」のワンシーン(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2016

 国民的人気アニメ「ドラえもん」の劇場版アニメ最新作「映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生」(八鍬新之介監督)が5日に公開される。今作は、シリーズ歴代1位の動員記録を持つ1989年公開の「のび太の日本誕生」が新たに生まれ変わった作品で、のび太たちが7万年前の原始時代の日本を舞台に冒険を繰り広げる。お笑い芸人の小島よしおさん、プロレスラーの棚橋弘至選手と真壁刀義選手がゲスト声優を務めるほか、歌手の山崎まさよしさんが主題歌として新曲「空へ」を今作のために書き下ろしている。

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 家でも学校でもしかられてばかりいるのび太(声・大原めぐみさん)が家出を決意する一方で、ドラえもん(声・水田わさびさん)、ジャイアン(声・木村昴さん)、スネ夫(声・関智一さん)、しずか(声・かかずゆみさん)も、それぞれの理由で家出する。行くところがなく途方に暮れた5人は、タイムマシンで誰もいない7万年前の日本へと向かい、自分たちだけのパラダイスを作り上げる。たっぷり遊び、現代へと戻ったのび太たちは、なぜか現代で原始人のククル(声・白石涼子さん)と出会い……というストーリー。

 27年前の名作をリメーク。大人であれば子供の頃に見たことがある人もいるだろうが、新たに生まれ変わった作品を今見ると、当時は気付かなかった物語の深みを実感できた。結婚して子供がいる人なら、のび太とククルとの出会いのように、タイムマシンに乗った気分で、いつもとは少し違った親子の対話も楽しめるかもしれない。ベースとなる物語は旧作から受け継がれているが、現在の技術で製作された映像は美しく、のび太が絶体絶命に陥ってからドラえもんが救出するという、シリーズの王道的な展開ではあるが胸躍らされる。日本人の起源や人類のつながりなど古代ロマンが詰まっており、世代を問わず楽しめるだろう。ドラえもんの“ドラゾンビ”コスプレが何ともいえず可愛かった。5日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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