堀内賢雄:ベテラン声優は「巨匠にならない」 第一線で活躍する秘訣とは?

「牙狼<GARO>-DIVINE FLAME-」でヘルマン・ルイスの声優を務める堀内賢雄さん
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「牙狼<GARO>-DIVINE FLAME-」でヘルマン・ルイスの声優を務める堀内賢雄さん

 テレビアニメ「牙狼GARO>-炎の刻印-」の続編となる劇場版「牙狼<GARO>-DIVINE FLAME-」(林祐一郎監督)が21日に公開される。劇場版ではテレビアニメ版で命を落とした人気キャラクターのヘルマン・ルイスが再登場することも話題になっている。ヘルマンの声優を務めるのは、30年以上にわたって第一線で活躍するベテランの堀内賢雄さんだ。ヘルマン役への思いや長きにわたって活躍を続ける秘訣(ひけつ)について話を聞いた。

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 ◇“二枚目半”は品格がないとダメ

 「牙狼<GARO>-炎の刻印-」は、特撮ドラマ「牙狼<GARO>」シリーズのアニメ版で2014年10月~15年3月に放送。テレビアニメの続編となる劇場版「DIVINE FLAME」はテレビアニメの4年後を描いた作品で、黄金騎士・ガロの称号を受け継いだレオン・ルイスが“最も美しい”と呼ばれるホラー(魔物)を討伐することになる……というストーリー。

 堀内さんが演じるヘルマンは主人公・レオンの父。女好きだが、実力は折り紙付きで、人気のあるキャラクターだったが、テレビアニメ版では命を落としてしまった。堀内さんは劇場版で再登場することについて「プロデューサーから、また出るとは聞いていたけど、回想シーンやちょっとしたシーンだと思っていた。ポスターを見たらヘルマンが大きく描かれていて、台本を見るとせりふも多かった」と驚きつつ、「やりがいがあった」と再登場を喜ぶ。

 ヘルマンは酒好きで女好きの“二枚目半”なキャラクターで、堀内さんは「(自身が)酒好きでは知られているので、選んでいただけたのかもしれませんね(笑い)。二枚目から三枚目になる。やりがいがあるけど、難しいキャラクターです」とも話す。

 甘い声やヘルマンのような“二枚目半”の役も数多く演じてきたことでも知られる堀内さん。“二枚目半”を演じるには「品格がないとダメだと思っています。それに、やりすぎないことです」と考えを明かし、「『フルハウス』や『ビバリーヒルズ高校白書』(の吹き替え)で監督に加減することをアドバイスされた」と振り返る。

 ◇まだまだ伸びしろがある!

 「機動戦士ガンダムZZ」のマシュマー・セロ役や米ドラマ「ビバリーヒルズ高校白書」のスティーブ・サンダース役などで知られる堀内さん。アニメ声優、海外ドラマや映画の吹き替えなど、30年以上にわたって第一線で活躍してきたベテランだ。長く活躍するための秘訣を聞くと、「巨匠にならないこと。面倒な人にはならない。ずーっと演じていたいんです」と語る。

 「ダメ出しがあっても、ふてくされない。何回でもやろう!と思う。(スタッフには)いくらでも(意見を)言ってくださいとお願いしています。自分も信じているけど、後ろにいる人(スタッフ)をもっと信じている。いいものができるまでやりましょう!という気持ちがある」と情熱を持って作品に取り組んでいるといい、「監督に『すみません、言い過ぎました!』と言われることもありますね」と明かす。

 さらに「まだまだ伸びしろがあると思っていますよ。子供ができたり、親しい人が亡くなり、責任を持って生きていくことを考える中で、変わっていくところもありました。年をとるといい味が出るけど、テクニックは鈍るところもある。そこを何とかしていきながら、死ぬまでやっていきたい」と熱い思いを語る。

 声優事務所「ケンユウオフィス」の代表取締役として、新人の育成にも力を入れている。「厳しくないですよ。礼儀はしっかりするようには言うけど、マイクの前に立てば、みんな平等。伸び伸びやってほしいんです」と語り、「この作品(『牙狼<GARO>-DIVINE FLAME-』)のポスターのキャッチコピーにも『守りたい人がいる』とあるけど、やっぱりハートなんですよね。すべての人に守るものがある」と話していた。

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