PUFFY:“脱力系”は不本意だった 20周年で本音告白

「PUFFY」の大貫亜美さん(右)と吉村由美さん
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「PUFFY」の大貫亜美さん(右)と吉村由美さん

 5月13日にデビュー20周年を迎えた女性デュオ「PUFFY」。4月にはベストアルバム「20th ANNIVERSARY BEST ALBUM 非脱力派宣言」をリリースし、20周年のアニバーサリーツアーも開催。3日には、同ツアーの中から5月14日に東京・豊洲PITで行われたライブの模様がWOWOWライブで放送される。PUFFYの大貫亜美さんと吉村由美さんに、20周年を迎えた心境や今後の目標などについて話を聞いた。

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 ◇自分たちは「真面目」 デビュー時からの“約束”とは…

 1996年に奥田民生さんがプロデュースしたシングル「アジアの純真」でデビューしてから20年。2人で長い年月を2人で走ってきた。大貫さんは「早いようでも、短い、というにはあまりにも長い年月なので……。とはいえ、あっという間といえばあっという間でした」、吉村さんも「まだピンと来てない。でも、20年できたことはありがたいなと。それは第一に思ってます」と感慨深げに語る。

 ときに「ダラダラしている」とも見られがちな自然体のスタンスが持ち味のPUFFY。だが、吉村さんは自分たちのことを「真面目」と分析する。「だって、『やめる』って言ったら迷惑かかるじゃないですか。それに、どのタイミングでやめるって言ったらいいのか分からない。だって今も、先のスケジュールが決まっているから、やめるって言ったら、『このスケジュールが……』と思っちゃうから。やめられないですよね、どう考えても」と責任感の強さをみせる。ときには羽を休めたい、と思ったこともあるが、「活動休止は一度もしなかった」と2人は胸を張る。

 デビューから一貫して決めていたことの一つに、「どちらかがやめたくなったら、相手は絶対に『NO』と言わずに、すぐやめること」という約束があった。だが、20年間で一度も解散の危機は訪れず、大貫さんは「私たちはすごい結束が固いというか。けんかもしたことないですし。いつも『自分たち対誰か』みたいな感じなので。2人はいつも同じ気持ちでいよう、と思っていました」と説明する。

 とはいえ、互いに依存しているわけではない。「相手に興味ないわけでもないんですけど。この人はこの人、私は私という感じで。お互いに、かなわないなという部分を持っているので、イラッとすることもないんですよね」と吉村さん。「ここが理解できない、とかあると、やってて地獄じゃないですか」と笑う。他の約束事は?と聞くと、「もしどっちかが死んじゃったら、相手のこと(のネタ)でめちゃくちゃお金稼いでいい、ということとか」と2人は楽しそうに話す。

 ◇脱力した覚え一度もない 

 20周年イヤーの今年、4月にはベストアルバムもリリースした。タイトルは「非脱力派宣言」。“脱力系”という世間のイメージを覆すタイトルだが、大貫さんは「20年間ずーっと、ダラダラしてるね、とか自然体ですね、とか、脱力系と言われ続けてきたけど、私たちは一度も脱力した覚えもなければ、そんなつもりもなかったので、ずっと不本意だなと20年間過ごしてきた」と“意外”な心境を明かし、「で、実際アルバムを頭から順番に聞いてみたら、音楽的には一切脱力なんかしてないぞ、と。これを聴いていただいたら分かるんじゃないかということで、高らかに宣言しよう、と(笑い)」とタイトルの理由を説明する。

 ベストアルバムは、デビュー曲「アジアの純真」から順番に、20年間の楽曲が並ぶ。大貫さんは「20年分をまとめて聴くことはなかったので、えらく感動してしまって(笑い)。自分が歌っているし、思い入れもあるんですけど、改めて普通に聴くと、すごい曲ばっかりだなと。ジーンとしました」と明かす。吉村さんも「順番に聴くと、このときはこんなだったなという気持ちとか、悩んでたんだなとか、お互いがお互いをなんとなく分かってるから、それが鮮明によみがえって」としみじみ語る。

 ◇奥田民生への変わらぬ尊敬 「見る背中はそこしかないと…」

 アニバーサリーツアーは「20th Anniversary PUFFY TOURISTS社で行く PUFFYTOURS EPISODE 0」と題され、デビュー記念日の翌日、5月14日に豊洲PITで開催したライブには、奥田さんがギタリストとして参加した。大貫さんは「ちょうど20周年という節目だったので、ぜひ民生さんに出ていただきたかった」と語る。

 2人にとっての奥田さんはどんな存在なのか。そう質問すると、吉村さんは「やっぱり『先生』であることは変わらないかも」と語る。「民生さんは私たちのこと弟子とも思ってないですけど。でも、何も知らないところから、ゼロからすべて教えてもらったので。見る背中はそこしかない、という感じで育ったから。20年たってもずっと先生ですね」と明かし、「20年たっても老いぼれもせず、いまだにすごい。ずっと尊敬は変わらないですね」と存在の大きさを語る。

 ◇互いの存在は… 10年後はやめていたい?

 では、お互いはどのような存在なのだろうか。改めて聞くと、熟考した後、「形容しがたいですね。一個のワードに収まらない」と大貫さん。吉村さんも「家族でもなく、親友と言われると、またそれも違う。1日隣にいて何もしゃべらなくても、何とも思わない存在」と自然体な関係をうかがわせる答えが返ってきた。

 最後に、20周年を迎えてこれからの目標を聞いてみると、「今年、やっと自分たちの20周年が終わって、そこで初めて『これから何かが始まるんだ』という気になると思う。20周年イヤーが終わってないのに、25周年とか30周年とか言ってられない。今、20周年イヤーをもっとちゃんとやらないと、という気持ちです」と吉村さん。

 大貫さんは30周年について「ないですないです」と本気とも冗談ともつかぬ顔で即答し、「10年後はさすがにないんじゃないかな。やめてたいかな(笑い)」と“脱力系”らしい回答をしつつ、「今年は大丈夫です。やります!」と意気込んだ。

 豊洲PITでのライブの模様は、「20th Anniversary PUFFY TOURISTS社で行く PUFFYTOURS EPISODE 0」と題して、WOWOWライブで3日午後7時から放送。

 <プロフィル>

 ぱふぃー。大貫亜美さんと吉村由美さんの2人で1996年に奥田民生さんプロデュースによるシングル「アジアの純真」でPUFFYとしてデビュー。以降、「これが私の生きる道」「サーキットの娘」「渚にまつわるエトセトラ」「パフィーdeルンバ」など多数の楽曲をリリース。 また、米国のアニメチャンネル「カートゥーン・ネットワーク」制作で、PUFFYを主人公にしたアニメ番組「ハイ!ハイ! パフィー・アミユミ」が世界110カ国以上で放送されるなど、世界を舞台に活動している。

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