注目映画紹介:「チェブラーシカ 動物園へ行く」ワニのゲーナの代わりにチェブラーシカがおりの中に!

映画「チェブラーシカ 動物園へ行く」のメインビジュアル (C)2010 CMP/CP
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映画「チェブラーシカ 動物園へ行く」のメインビジュアル (C)2010 CMP/CP

 ロシアの国民的キャラクター、チェブラーシカの短編アニメ「チェブラーシカ 動物園へ行く」(中村誠監督)が30日から公開される。「劇場版 チェブラーシカ」(10年)が国内外で絶賛された中村監督による新作。ワニのゲーナの代わりに動物園で働くことになったチェブラーシカが巻き起こす愉快なお話だ。

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 ある日の夕方。突然の大雨でずぶ濡れになったワニのゲーナ(声・土田大さん)は風邪を引いてしまい、動物園に出勤できなくなってしまった。チェブラーシカ(声・折笠富美子さん)が動物園にそのことを伝えに行くと、みんな困り果ててしまう。そこで、チェブラーシカはゲーナの代役を務めると言い出し、ワニのおりの中に入る。それを聞きつけたシャパクリャク(声・チョーさん)は、とんでもないイタズラを実行する……という展開。

 ロシアのスタッフの厚い信頼を受けて、27年ぶりにチェブラーシカをよみがえらせた前作に引き続き、6年ぶりに中村監督がオリジナル新作を作り上げた。正体不明の生き物チェブラーシカとダンディーなワニのゲーナ。見てくれのだいぶ違う凸凹コンビが、またもや厚い友情を見せてくれる。といってもゲーナは風邪を引き、注射を怖がるなど楽しませてはくれるが、ほとんどベッドの中。病気の友達のために一肌ぬいだチェブラーシカ。ゲーナの代わりに動物園のおりの中で新聞を手にしたものの、読めていない感じがなんとも可愛らしい。

 チェブラーシカの動きがユニークで、今回のゲーナはだいぶ若々しい印象。部屋の中の小道具から動物園、街のセットまで、ミニチュアの世界を眺めるような楽しさがある。ロマン・カチャーノフ監督のオリジナルの精神は生かしつつ、チェブラーシカの世界を街全体に広げつつある中村監督。前作に引き続いてロシアのアニメーション監督ミハイル・アルダーシンさん、新たに原作者のエドゥアルド・ウスペンスキーさんが脚本に参加。ロシア特有のユーモアのセンスも取り入れている。「ちえりとチェリー」との2本立てで、30日からユーロスペース(東京都渋谷区)ほかで順次公開。(キョーコ/フリーライター)

 <プロフィル>

 キョーコ=出版社・新聞社勤務後、映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。チェブラーシカ、ゲーナと友達になってみたいです。

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