EXILE USA:新曲の誕生秘話と主催ダンスフェスを語る

音楽ユニット「DANCE EARTH PARTY」の活動を展開しているEXILE USAさん
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音楽ユニット「DANCE EARTH PARTY」の活動を展開しているEXILE USAさん

 2015年にダンス・ボーカルグループ「EXILE」のパフォーマーを卒業したEXILE USAさんは、2008年からダンスプロジェクト「DANCE PARTY」を始動させ、その一環としてEXILE TETSUYAさん、Dream Shizukaさんらとの音楽ユニット「DANCE EARTH PARTY」での活動を展開している。2016年8月には約半年ぶりとなるシングル「NEO ZIPANG~UTAGE~」をリリースし、さらに10月にはイベント「DANCE EARTH FESTIVAL 2016」の開催を控えている。EXILE USAさんに楽曲やイベント、ダンスについて話を聞いた。

ウナギノボリ

 ◇世界の音楽を自分たちなりに表現して音楽の旅を続ける

 最新シングル「NEO ZIPANG~UTAGE~」は、「日本から世界へ発信できる新しいお祭りを作りたい!」というコンセプトで制作。和楽器の音色と最先端のダンスミュージックを融合しているが、USAさんは「日本のお祭りを15カ所ぐらい旅してきて、そこでいいなと思った動きを僕らなりにダンスと融合させて表現した」と切り出し、「『(青森)ねぶた(祭)』のハネトのジャンプだったり、阿波おどりと同じように手と足が前に出る振り付けだったり、どじょうすくいの動き、ソーラン節の海の動きなど、いろんなエッセンスを取り入れて作りました」と語る。

 懐かしさと新しさが共存し、曲を聴きダンスを見ているだけでも踊り出したくなる血湧き肉躍るようなナンバーに仕上がっているが、USAさん自身も「古くから伝わる和楽器と最先端のダンスミュージックということで、新しさと懐かしさを同時に感じていただけるようにしたかった」とうなずく。森で撮影されたミュージックビデオは、「裏テーマで『日本の古事記の天岩戸(あまのいわと)の物語』を今風に表現したいというのがあった」と言い、八百万(やおよろず)の神たちが集まるような宴を森の中で、というコンセプトでやりました」と明かす。

 曲名にもある「NEO ZIPANG」という造語について、「DANCE EARTH PARTYのコンセプトとして、いろんな世界の音楽を自分たちなりに表現して音楽の旅を続けるというものがある」と前置きし、「今回、フィーチャーしたのは日本ですが、純粋に日本というよりは『新しい民族を発見した』『新しい島国を発見した』ような見え方にしたくて、今回はこういう感じになった」と言葉に込められた思いを説明する。

 ◇新しいEXILEのあり方を模索し続けた半年間

 USAさんは昨年の暮れにEXILEのパフォーマーを“引退”した。現状について、「覚悟を決めてからは前だけしか見ないという感覚ではあります」と言い、「EXILEというものを初期からやってきて、“ダンス・ボーカルグループのEXILE”からさらに新しいEXILEのあり方を、HIROさんをはじめ、僕とまっちゃん(松本利夫さん)やMAKIDAIが作っていかなきゃいけないという強い気持ちがある。そこを開拓していったこの半年間は、振り返らずに突き進んでいる感じはあります」と充実感をにじませる。

 新たな活動を進める中、自身のプロジェクト「DANCE EARTH」が10年目を迎えたが、「続けるということの大切さ」を強く感じていると話すも、「2006年の最初の旅では全身で『これだ!』って思ったので、“ライフワーク”という言葉を使ってしまった(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに話す。続けて、「人生をかけて世界のダンスを知りたいし、世界の人とつながりたいという気持ちがあって、これは1年や2年で変わる気持ちじゃないぞ、というのは自分の体全身で分かった」と説明し、今は「まだ10年という感じで、生きている間に全部乗りこなせるかなと考えると、すごく焦ります」と楽しそうに笑う。

 華麗なパフォーマンスで多くの人を魅了するUSAさんは「特別なものは何も必要がなくて、開けた心と楽しむ気持ちがあれば、誰でも今すぐできる」ことがダンスの最大の魅力だと言い、最新作に取り入れられた日本のダンスについては、「みんなで同じ動きをして、一体感を感じて楽しくなっていくというのが、すごく“和”という感じがする。音楽で同じ動きをすることでつながりを確認できるというか、その心地よさがきっとあるのかなと思う」と持論を語る。

 USAさんはダンスに夢中になったきっかけを、「出合った瞬間、宇宙のビッグバンのような衝撃で、それがどんどん広がっていった」と明かし、「初めて出合ったときには勝てないぐらいの衝撃がありましたが、踊るということの深い意味は続ければ続けるほど、いろんな人に出会えば出会うほど、踊りへの愛は深まっていった気はする」と振り返る。

 しかし、「一時期ダンスしかない自分というのがコンプレックスで、踊りがなくなったら、けがをしたらどうしようと不安になる時期もあった」と打ち明け、「いろんなことをやってみたけれど踊りに対しての熱は消えず、何かほかにやったから埋まるものじゃなかった」とダンスの魅力を再確認したという。さらに、「そのときに旅先で自分の踊りを見て涙を流してくれる人がいたのを見て、自分は何を欲張っていたんだろうと思った」と明かし、「愛しているダンスで誰かが元気になってくれたり、感動してくれたりするのに、ほかのものを探すとはなんてぜいたくなやつだと(笑い)。それ以来は迷わなくなりました」とすがすがしい表情で語る。

 ◇世界の音楽や踊りが集まるような野外フェスにしたい

 和楽器と最新ダンスミュージックという異色のコラボについて、「自分たちがお祭りを作ったとき、どんな音楽がかかっていてほしいかを考えたら、ヒップホップが和楽器で演奏されていたら楽しいだろうなと」とUSAさんは考え、「ヒップホップ好きの人はもちろん、和楽器なので懐かしさも感じられると思うし、そういう時間を作りたいなと思いました」と思いを明かす。

 10月15日には千葉・幕張海浜公園でダンスフェスティバル「DANCE EARTH FESTIVAL 2016」の開催が決定している。「僕が感じてきた世界のいろんな音楽や踊り、世界の料理やお酒が集まるような野外フェスにしたい」とUSAさんは次々にアイデアを出すほど楽しみにし、「みんなで踊ってやっと完成形かなと思うので、ゆくゆくは『NEO ZIPANG』というものをお祭りにするまで育てていきたい」と思いをはせる。さらに最新シングルの楽曲で、「お祭りの会場に『NEO ZIPANG MARCH』で登場して、『NEO ZIPANG BREAKS』の時間があって、最後に『~UTAGE~』があるという、そういうお祭りを作ってみたい」と構想を明かし、「いつか一緒に踊りたいなと思っています」とメッセージを送る。

 常に新たなダンスに挑戦しているというUSAさんは、「最近始めたダンスはタップダンス。踊りながら音が出せる、楽器と踊りの両方を兼ね備えているダンスですが、本当に難しくて、マスターにはあと3年ぐらいかかるかな(笑い)」と言い、「ダンスをしながら楽器を演奏している感じなので、それができればいろんなミュージシャンの方ともコラボできるし、たけし軍団さんともバトルができるかもしれない(笑い)。いろんなことを考えながら地道に頑張っています」と、ユーモアを交えながら語った。

 <プロフィル>

 1977年2月2日生まれ、神奈川県出身。2001年にEXILEのパフォーマーとしてデビューし、2015年にパフォーマーを卒業。その後は音楽ユニット「DANCE EARTH PARTY」を中心に活動。8月3日にはシングル「NEO ZIPANG~UTAGE~」を発売し、10月15日には「DANCE EARTH FESTIVAL 2016」の開催を控える。

 (インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)

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