堺雅人:1年2カ月の「真田丸」の旅を振り返る 「九度山編」?スピンオフに意欲

「真田丸」で主演を務める堺雅人さん=NHK提供
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「真田丸」で主演を務める堺雅人さん=NHK提供

 俳優の堺雅人さんが主演のNHK大河ドラマ「真田丸」が18日に最終回を迎える。約1年2カ月にもおよぶ撮影を終え、真田幸村役の堺さんは「長い旅行から帰ってきた心境に近い」としみじみ語る。一方で、“長い旅”を終えたもののの「九度山編、上杉の人質生活のスピンオフでも何でもやりますよ。いつでもやりたい! 明日にでもやりたいくらいですよ」と意欲を燃やす。堺さんに「真田丸」の撮影について聞いた。

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 ◇自分のペースで無理をしないように

 「真田丸」は、戦国時代に信州の小さな領主の下に生まれた真田幸村が、家族とともに知恵と勇気と努力で乱世を生き抜く姿を描いている。三谷幸喜さんが2004年放送の「新選組!」以来、12年ぶりに大河ドラマの脚本を手がけたことも話題になっている。

 堺さんは約1年2カ月にもおよぶ撮影を終えた心境を「長い旅行から帰ってきた心境に近い。旅が終わるのは寂しいけど、家に帰ってきた喜び、家族の顔を見た時の安堵(あんど)がありました。得難い経験をさせていただきました」と明かす。

 大河ドラマの撮影は過酷とも言われている。主演を務める中で、モチベーションを維持するのは並大抵なことではないことは容易に想像できる。しかし、堺さんは「なるようになるし、自分のペースで無理をしないようにしていました。やせよう、太ろうとしたらすぐにダメになる。ご飯をしっかり食べましたね、楽しかったです」とあっけらかんと話す。

 堺さんは大河ドラマでは「新選組!」(2004年放送)、「篤姫」(08年放送)にも出演経験がある。「真田丸」について「これまで3回旅に出て、前回、前々回は途中で船を下りた。今回は最後まででした。長い旅でしか見させていただけない何かがあったけど、変わらないといえば変わらない。幸村は『俺を見ろ!』という人じゃない。最後まで自分のペースがつかめなかった。そこが楽しかった」と振り返る。

 さらに、堺さんは「なるべく三谷さんの脚本の通りにやりたかった」とも話す。「一字一句、脚本通りにやるのがいいと思っていたんですが、現場はそうじゃない方がいい場合もある。三谷さんからは『10%くらい現場の空気でやってみれば?』と言われたのですが、難しいんですよね」と苦労を明かす。

 ◇最後は平凡な人が非凡なことをした

 ドラマで幸村は、父・昌幸(草刈正雄さん)、秀吉(小日向文世さん)などに従う場面が多く、主役ではあるが“受け身”の人物として描かれることが多かった。しかし、クライマックスの大坂の陣では自らが行動する主役らしい主役となった。堺さんは「後半は物語を引っ張っていこうと思った。幸村は自分で決めたことがなかったが、父、三成(山本耕史さん)、茶々(竹内結子さん)、秀吉らいろいろな人の声に動かされた。平凡な人が非凡なことをした」と話す。

 「真田丸」は、幸村の義兄・小山田茂誠(高木渉さん)や真田家をライバル視する室賀正武(西村雅彦さん)など個性的な脇役の存在も話題になった。堺さんは「今回は幸村以外の人物が盛り上がったのがよかった。大坂の陣でも長宗我部盛親(阿南健治さん)が盛り上がったし、うれしいですね。周りに、こんなに面白い人がいっぱいいる。周りをフィーチャーする力が幸村の魅力なのかもしれません」と喜ぶ。

 ◇昌幸、家康、秀吉もやってみたい…

 堺さんは“座長”としての仕事を全うし「座長は難しですね。『俺について来い!』というタイプではないですし、みんなが好きにやって、まとまっていればと思っていた。超リベラルなんですよ。現場はベテランも若手もすばらしい人ばかりで、スタジオに行くのが毎日楽しかった。座長というよりも、球(たま)をずっと受け続ける人。『俺の球を受けてみろ!』ではなかった」と振り返る。

 長旅を終えたこともあり「休みたいのでは?」と聞いてみると、「いつでもやりたい! 明日にでもやりたいくらいですよ」と即答。「九度山編、上杉の人質生活のスピンオフでも何でもやりますよ」と意欲を燃やす。

 幸村の父・昌幸を演じた草刈さんは、ドラマ「真田太平記」で幸村を演じたこともあったことから、「今後、昌幸を演じてみたい?」と質問したところ「ないない! 草刈さんは超えられないでしょう」といいながらも、「30年後だとどうだろう? そんなことを言いながらもやってみたいですね、秀吉も家康もやってみたいです」とも語る。

 最終回の展開が注目されるが、堺さんの今後の活動も注目される。「真田丸」はNHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。

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