宮沢りえ:キネマ旬報ベスト・テンで主演女優賞 「演じた役は人生の一つ」

「第90回キネマ旬報ベスト・テン」表彰式に登場した宮沢りえさん
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「第90回キネマ旬報ベスト・テン」表彰式に登場した宮沢りえさん

 女優の宮沢りえさんが5日、東京都内で行われた「第90回キネマ旬報ベスト・テン」(キネマ旬報社主催)の表彰式に出席。映画「湯を沸かすほどの熱い愛」(中野量太監督)で主演女優賞を獲得した宮沢さんは遅れての登壇となったが、「映画人にとってもファンにとっても特別な賞だなと思って、参加させていただいた」と語った。

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 「死にゆく母と、残される家族が紡ぎだす愛」をテーマにした感動作で、余命2カ月の宣告を受ける母親・双葉を演じた宮沢さん。「最近、演じるってことは声や肉体だけで表現するのではなく、体の中を役が通っていくんだなと思う。演じた役は自分の人生の一つだと思うようになりました。双葉という役をやらせていただいたのは、とても豊かなことだと思う」とあいさつした。

 同作で娘役を演じた杉咲花さんも助演女優賞に選ばれ、宮沢さんはステージ上で振り返って、「花、おめでとう」と祝福。杉咲さんは「宮沢りえさんにはカメラに映ってないところでも、おかあちゃんでいてくださった」と感謝し、「作品に愛情を持った温かい人しかいない現場で、そんな作品にめぐり合えただけでも幸せなこと」と語っていた。

 「キネマ旬報ベスト・テン」は、米アカデミー賞より1回多いという長い歴史を誇る映画賞で、今回は2016年公開の映画を対象に同誌の選考委員が選出。日本映画ベスト・テン第1位にはこうの史代さんのマンガが原作の劇場版アニメ「この世界の片隅に」(片渕須直監督)、外国映画ベスト・テン第1位には「ハドソン川の奇跡」(クリント・イーストウッド監督)が選ばれた。

 日本映画第1位にアニメが選出されるのは、1988年の「となりのトトロ」以来28年ぶり。片渕監督は日本映画監督賞と読者選出日本映画監督賞も受賞した。文化映画ベスト・テン第1位は「ふたりの桃源郷」(佐々木聰監督)、キネマ旬報読者賞は「映画を見ればわかること」の川本三郎さんが受賞した。

 表彰式には主演男優賞を受賞した柳楽優弥さん、助演男優賞の竹原ピストルさん、新人女優賞の小松菜奈さんも出席。「この世界の片隅に」で声優として主演したのんさん(能年玲奈から改名)もサプライズで登場した。

 ◇「第90回キネマ旬報ベスト・テン」各賞は以下の通り(敬称略)

日本映画監督賞:片渕須直(この世界の片隅に)▽日本映画脚本賞:庵野秀明(シン・ゴジラ)▽主演女優賞:宮沢りえ(湯を沸かすほどの熱い愛)▽主演男優賞:柳楽優弥(ディストラクション・ベイビーズ)▽助演女優賞:杉咲花(湯を沸かすほどの熱い愛ほか)▽助演男優賞:竹原ピストル(永い言い訳)▽新人女優賞:小松菜奈(溺れるナイフほか)▽新人男優賞:村上虹郎(ディストラクション・ベイビーズほか)▽外国映画監督賞:クリント・イーストウッド(ハドソン川の奇跡)

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