龍の歯医者:鶴巻監督が語る裏側 「見たことがない世界に」 庵野秀明の音響監督起用は…

「龍の歯医者」のビジュアル(C)舞城王太郎,nihon animator mihonichi LLP. / NHK,NEP,Dwango,khara
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「龍の歯医者」のビジュアル(C)舞城王太郎,nihon animator mihonichi LLP. / NHK,NEP,Dwango,khara

 NHKとアニメ制作会社「カラー」、ドワンゴなどが共同制作するテレビアニメ「龍(りゅう)の歯医者」の前編が18日、NHK・BSプレミアムで放送される。「フリクリ」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズなどの鶴巻和哉さんが監督を務め、作家の舞城王太郎さんが原作、脚本を担当。さらに、庵野秀明さんが制作統括、音響監督を務めるなど豪華スタッフの参加が放送前から話題になっている。「なかなか見たことがない世界になっている」と話す鶴巻監督に、制作の裏側、庵野さんを音響監督に起用した経緯などを聞いた。

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 ◇主人公は「特殊なキャラクター」

 「龍の歯医者」は、龍が住んでいるといわれる“龍の国”を舞台に、龍を虫歯菌から守る“新米歯医者”の野ノ子と、敵国の少年兵・ベルが、激しい戦いに巻き込まれる……という冒険ファンタジー。ドワンゴとカラーの企画「日本アニメ(ーター)見本市」で制作された短編アニメを基にした長編アニメとなる。

 鶴巻監督は短編から引き続き、長編も手がけることになった。短編を手がけた際のことを「龍の歯を治療する話と思っていたのですが、脚本が上がったら、歯医者になる話だった。意外でしたね」と振り返る。短編は謎の多い作品ではあったが、「短編の時もイメージボードなどを作ったのですが、(歯医者が駆除する)虫歯菌というものがあることも分かっていなかった。長編は、戦う話もあるのですが、戦うことも長編になって初めて分かってきたことです」と長編では世界観が明らかになっていくようだ。

 主人公・野ノ子については「特殊なキャラクター」と説明。「表面的には瞬発力があるようなキャラクターですが、裏があるわけではなく、複雑なキャラクター。ストレートには描きづらいのですが、そこを伝えられたらと思います」と話す。

 ◇庵野さんの音響監督の技術は素晴らしい

 庵野さんが音響監督として参加していることも話題だ。鶴巻監督は、参加の経緯を「随分前に『エヴァンゲリオン』が終わった後の話をしたことがあったんです。庵野さんの音響監督の技術が素晴らしいので、自分が作品を作る時、『庵野さんに音響監督をしていただけないか?』と話した。今回、実現してよかったです。結果的に(エヴァが)終わる前にお願いしてしまいましたが(笑い)」と説明する。

 「庵野さんは、自分の作品でも実質的に音響監督のようなことをやっている。マネジメントの面ではなくて、クリエーティブの面です」といい、今回の現場での庵野さんの様子を「頻繁に指示が出るわけではないけど、迷っていたら『こっちでいいんじゃいの』と大事なところで指示をいただけました」と明かす。

 「龍がいる世界は、ゲーム世代にとっては当たり前になっているかもしれませんが、ちょっと設定が特殊。なかなか見たことがない世界になっていると思います」と語る鶴巻監督。謎が多い「龍の歯医者」だが、未知なる世界を見せてくれるかもしれない。アニメは前後編で、BSプレミアムで前編が18日午後8時、後編が25日午後8時に放送される。

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