アニメ質問状:「ACCA13区監察課」 オノ・ナツメ原作の落とし込みにプレッシャー

アニメ「ACCA13区監察課」のワンシーン(C)オノ・ナツメ/SQUARE ENIX・ACCA製作委員会
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アニメ「ACCA13区監察課」のワンシーン(C)オノ・ナツメ/SQUARE ENIX・ACCA製作委員会

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、オノ・ナツメさんのマンガが原作のテレビアニメ「ACCA13区監察課」です。バンダイビジュアルの世羅田あゆみプロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。

ウナギノボリ

--作品の概要と魅力は。

 13の自治区に分かれたドーワー王国にある巨大統一組織「ACCA」。主人公のジーンはACCA本部監察課の副課長で、13区それぞれにあるACCA支部をまわり、不正がないかどうか監視しています。13区をまわる中で、ジーンはクーデターの嫌疑をかけられ、人々の思惑に巻き込まれていきます。組織を舞台にそれぞれの信念が交錯する、ドラマティック群像エンターテインメントです。

 一言で表すのが難しい作品なのですが、
・組織に生きる人々の骨太ドラマ
・おいしそうなおやつと食パン
・個性豊かな13区の文化と街並み
……が大きな魅力です!

--アニメにするときに心がけたことは。

 オノ・ナツメ先生の原作が持つ、語り過ぎない言葉の間やキャラクターの何気ない仕草に込められた感情をアニメでも表現すること、ジーンとニーノを軸に物語を最後まで描くこと、おやつをおいしそうに描くこと、などは夏目真悟監督やシリーズ構成の鈴木智尋さんとも最初からお話ししていました。

 元々原作を好きだったからこそ、原作ファンの方だけでなくもっと広くたくさんの人に出合ってほしい作品だったので、アニメのACCAとして一番魅力的な形を目指したいと思いました。

--作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 携わるスタッフやキャストの皆さんでACCAの世界にのめり込んで面白さを共有しながら作品をつくることができているのは、本当にうれしいです。そういう熱を持った作品を見てくださった方々も、同じようにのめり込んでくれているのを感じると、もっとうれしいです。

 完成されたオノ・ナツメ先生の原作を、どうアニメという表現に落とし込むかというのは、大きなプレッシャーでした。わかりやすさや派手さとは真逆の作品なので、「わからないけど面白い」と感じてもらえる引きを、空気感を損なわずにどう組み立てていくか、シナリオ打ち合わせの時にもせりふ一つ一つに気を使いながら打ち合わせていました。

--今後のみどころを教えてください。

 ジーンを取り巻く人々の思惑、ジーンの出自、ニーノの役目。これまで描かれてきたたくさんの点が、結末に向けて一気につながっていきます。伏線に次ぐ伏線から、一時も目を離さないでください! キャラクターたちがおのおのの信念を持ってACCAという組織に向き合うさまは、しびれます。最後まで見て、そしてまた第1話から見返すと、更にこの物語を楽しんでいただけるはずです。

--ファンへ一言お願いします。

 ACCAをご覧いただいている皆さま、本当にありがとうございます! 視線、仕草、せりふ、音楽、美術……全部でACCAという世界を作り上げていますので、色々な角度から何度も楽しんでいただけたらうれしいです。おいしいおやつやおつまみと、大人の方はお酒をお供にご覧ください。

 まだ見ていないという方、まだ間に合います! 「雰囲気アニメなのかな?」と思っている方にこそ出合ってほしい作品です。わからないことを楽しみながら、ACCAの世界に生きる人々の“粋様”を、最後まで一緒に見届けてほしいです!

バンダイビジュアル プロデューサー 世羅田あゆみ

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