俳優の藤原竜也さんが主演するスペシャルドラマ「人間の証明」(テレビ朝日系)が2日午後9時から放送される。森村誠一さんのベストセラー推理小説が原作で、1977年に岡田茉莉子さん、松田優作さんの主演で映画化され大ヒットし、たびたびドラマ化されてきた名作だ。松田さんが演じた孤高の刑事・棟居(むねすえ)役を務めた藤原さんに、作品の魅力や13年ぶりとなった鈴木京香さんとの共演などについて聞いた。
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今回のドラマは、原作に忠実に「終戦直後から1970年代の昭和」を背景に描くといい、
NHK大河ドラマ「新選組!」(2004年)以来13年ぶりに藤原さんと共演する鈴木さんが、岡田さんが演じた美容家の八杉恭子役で出演。棟居と行動を共にするベテラン刑事役で緒形直人さん、昔の恭子を知る老女役に草笛光子さん、捜査の全権を握る捜査1課キャップ役に宅麻伸さんらを起用するなど、実力派が脇を固めた。
物語は、米ニューヨーク・ハーレムから日本にやってきた青年ジョニー・ヘイワードが殺されるところから始まり、棟居ら刑事たちが血痕のついた麦わら帽子を手掛かりに捜査を進めていく……という展開。藤原さんは「本当に色あせない本。時代を経ても共感できる、人の心に強く訴えかけるような本だなと思った」と絶賛。「演じるときは余計なことを考えずに、ただ書いてあることを表現すれば成立する。本当に助かった」と振り返る。
さらに「これは八杉恭子の物語ですよ。一人の女の壮絶なる決断の物語。母親として女としての一人の人生で、冒頭から僕はすごく切なかった。八杉の思いがよく描かれている。切ないなあと思った」と冗舌に語る。一方で「多くの人が知っている本、作品で、たくさんの俳優さんもやられてきたから、どんな作品も常に賛否両論があって当然なんだけれども、そういうところが大変だろうなと。(視聴者に)怒られたらどうしようと思ったりして(笑い)」と胸の内も明かす。
「今後、5年、10年たってもやり続けられる作品だと思うし、いいタイミングで、僕は34歳で、棟居という役をやらせてもらったなと思う」としみじみ。それでも、「僕はジョニー・ヘイワードの役をやりたくてね。切ないでしょ」と笑う。「僕も埼玉で“母親っ子”で育ったわけだから、非常に母に対しての思いは強いほうだと自分でも思っていたから、ジョニー・ヘイワードの(母親を思う)気持ちっていうのは計り知れないものがあるんじゃないのかな」と思いを巡らせる。
撮影は冬の京都で1カ月にわたって行われたといい、「すごく寒くてそれだけが嫌だった(笑い)。でもそれが何かこの作品に力を与えてくれていたらいいなと。いい現場でしたよ」と振り返る。「すごいファンで、大好きだった」という鈴木さんとの久々の共演については、「決してぶれない、芯の強い、八杉恭子として素晴らしくたたずんでいましたね。微動だにしない八杉恭子、女の怖さというか恐ろしさ、女性の強さっていうのを京香さんがすごく表現してくれたんじゃないかと思う」と力を込め、クライマックスのシーンでも「本当に京香さんに説得力があって、本当にすてきなものでした」と語っていた。
スペシャルドラマ「人間の証明」は2日午後9時~同11時10分に放送。主題歌は、ボーカル&ダンスユニット「EXILE」のATSUSHIさんが、故・ジョー山中さんの名曲をカバーした「人間の証明のテーマ」。オリジナル同様にミュージシャンのCharさんがギターで参加している。
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