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正解するカド:話題の3DCGアニメ、制作の裏側 3DCGの強みとは?

アニメ
アニメ「正解するカド」を手がける東映アニメーションの野口光一プロデューサー

 東映アニメーションが制作するテレビアニメ「正解するカド」が7日、TOKYO MXほかで順次、スタートする。「翠星のガルガンティア」「鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星」などの村田和也さんが総監督を務め、小説家の野崎まどさんが脚本を担当する3DCGのオリジナルアニメで、3DCGの表現も話題になった劇場版アニメ「楽園追放 -Expelled from Paradise-」などの東映アニメーションの野口光一プロデューサーが手がける。3DCGのテレビアニメは増えつつあるが、東映アニメーションがテレビシリーズの3DCGアニメを手がけるのは初めてで、野口プロデューサーは「時代が変わりつつある」と話す。チャレンジとなった同作の制作の裏側を聞いた。

 ◇想像できない野崎まどワールドに

 「正解するカド」は、突如出現した謎の存在・カドによって、日本政府が異常事態に翻弄(ほんろう)される中、一人の交渉官(ネゴシエーター)に世界の行方が委ねられる……というストーリー。野口プロデューサーが、野崎さんに脚本を依頼したところから企画がスタートした。「『[映]アムリタ』や『know』を読み、この人にオリジナルをお願いしたい!とお声がけをしたところからスタートしました」といい、野崎さんの作品の魅力を「奇想天外なキャラクターが動いて、誰も想像できなかったオチがある。今回も野崎まどワールドになっている」と語る。

 謎の存在によって、日本政府は対応に追われることになる……という展開は、大ヒットした映画「シン・ゴジラ」にも似ているようにも見えるが、「『正解するカド』は、2015年末に企画が終わっていたので、『シン・ゴジラ』の内容のことは知らなかった。私たちも、政府関係者に取材して、有事の際、政府がこう動く……と聞いていた。どちらも取材を基にしているので、似てくるのかもしれない。これでいいのか?と考えたこともあったので、『シン・ゴジラ』のヒットで勇気が出た」と話す。

 ◇3DCGで難しい表現とは…

 「正解するカド」は、3DCGがメインではあるが、作画(2D)で制作されたシーンもある。野口プロデューサーによると「例えば、第1話は7割がCG、3割が作画です」といい、すべてを3DCGにしなかった理由について「予算の問題もあります。全部CGの場合、作画の倍くらい予算がかかる。だからこそ、参入が難しいんです」と説明する。

 3DCGの強みの一つとして、一度作ったキャラクターを使い回せることがある。野口プロデューサーは「キャラを作れば、絵が崩れることはありません。また、作画では難しい細かいディテールが作り込めます。キャラクターデザインの自由度が高いんです。口角を動かすなど日本のアニメ独特の表情はできないとも言われていますが、CGクリエーターの力量でなんとかなる場合もあります」と説明する。

 一方で「このアニメは政府関係者が多く出てくるので、スーツ姿が多い。白衣を着た科学者も出てきます。CGではスーツや白衣の表現が難しい。衣装の二の腕の形状がリアルじゃないと、硬く見えるんですね。チャレンジでした」と苦労も明かす。

 ◇長い長い準備期間

 カドと呼ばれる謎の存在の映像表現も見どころの一つになっている。複雑な模様が変化する特殊な形状で、野口プロデューサーは「3Dフラクタルという技術を使う提案があったのですが、計算に時間がかかる技術で、これまであまり手を出さなかった。一コマを作るのに、計算に最初は二晩かかった……。半年くらいかけて、ほぼリアルタイムで計算できるようになった」と語る。

 3DCGのアニメ制作は準備が大事だといい、「ある時、加速度的に量産できるようになるのですが、そのポイントまでの我慢が大変なんです」と苦労を語る。「キャラクターの輪郭線を作画のようにキレイに見せたかった。『楽園追放』の時は、細かく直したのですが、直さなくてもよくなった。技術は日々、進歩しています。制作作業を進める中で、データベースができてくるので、後半は、さらにキャラクターなどの深みが出てくると思います」と明かす。

 ◇3DCGアニメのヒット作を作りたい

 3DCGのテレビアニメは「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」「シドニアの騎士」など増えつつある。野口プロデューサーは「テレビアニメとして作れることは立証できたので、ヒット作を作らないといけない。日本の市場でヒット作を作り、海外に持って行った時、どうなるのかも含めて考えなければいけない」と力を込める。

 さらに「現状では、CGアニメーターが少ないのが弱点。若くてうまい人も多いので、さらに増えていけば量産もできるようになるはずです。CG、作画のどちらでやるかを筆を選ぶようにできる時代になるかもしれません。時代が変わりつつある」と展望を語る。

 「東映アニメーションはCGについては後発なので、先を行かないと他社を超えられない。今回はCGならではの表現も入れながら、攻め方を考えました。今はとにかく、最後のオチを皆さんに早く教えたいですね」と自信を見せる野口プロデューサー。東映アニメーションのチャレンジが、どのような影響を与えるのか。注目を集めそうだ。

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