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青木志貴の魔王式随想:「友人」という存在と「女子の輪」

アニメ コラム
青木志貴さん

 人気ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」の二宮飛鳥役などで知られる新人声優の青木志貴さん。自身を「ボク」と呼ぶ“ボクっ娘”で、“魔王”のニックネームで「League of Legends」などのオンラインゲームをがっつりやり込むコアゲーマーという異色の経歴も併せ持つ青木さんが、その独自の視点で自身の歩みやさまざまな思いを語ります。

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 花粉がつらい季節、春です。春、4月! 4月といえば新しい生活をスタートされる方がたくさんいらっしゃると思います。新しい職場、新しい学校、新しいクラスなどなど……。ボクは学生の頃、一番どきどきしたのはクラス替えでした。仲の良い人が同じクラスかどうか、どんな人が同じクラスにいるのか、席替えと同じように、一喜一憂したものです(笑い)。

 そんな学生生活、何が大事かっていったら、やっぱり友人の存在だと思います。今回はその「友人」というものについて、お話ししていきたいと思います!

 友人。皆さんは今本当に心から信頼できる友人って、どのくらいいらっしゃいますか? すぐにたくさんの友人の顔が思い浮かぶ人もいれば、片手で足りる程度、もしくは心から信頼できる友人なんていないなあ……なんて人もいらっしゃると思います。ボクもどちらかと言えば友人は多いほうではなく、ましてや「信頼できる友人」となるともっとその数は減りますよね。信頼できる、信頼できない、友人かただの知り合いか…価値観は人それぞれだと思うのですが、とにかくこの「友人」という存在にボクは長年悩み、現在もまだ悩んでいるともいえます。

 そもそも、友人ってなんでしょう。どこからが友人と呼べるのでしょう。ネガティブな考えにとられるかもしれませんが、これがボクは本当に昔からわからないことで……。「友人」というものの範囲というのでしょうか……。どこからが知り合いと友人の境界線で、どこまでが友人とそれ以上の特別な存在の境界線なのか。友達なんてそんな難しく考えるものじゃないよって言われたこともあるんですけど、どうしても考えてしまうんですよね。

 「ボクはこの人と友達になりたいけど、相手はボクのことなんて友達と思ってないだろうし、友達にもなりたくないだろうなあ……。だから自分の口からは『友達』なんて呼び方はできないなあ」とか、そんなことばかり学生時代から考えていたからかもしれませんが(笑い)。

 ボクは小学校、中学校といじめられっこでした。小学校は2年生くらいから6年生まで、中学校では同級生ではなく、上級生にいやがらせをされていました。元々いじめられるようになるまでとても友人が多くて、毎日学校帰りにうちに集まって遊んだりしてたくらいだったんですけど、女子と男子で遊ぶ内容、遊びたい内容が違うな、なんかボク、浮いてるかもしれない……ってはっきりと気づいたのは小学校中学年くらいで。

 会話の内容だって、クラスメートの女子がしているのは昨日見たドラマの話や流行の音楽、ファッション、あるいは恋愛の話。ボクにとっては全く興味がない内容だったんです。興味のないドラマを見て、興味のない音楽を聞いて、着たくもない可愛らしい服を着て、恋愛の話で盛り上がる。最初こそちょっと頑張ろうかなって思ってみたものの、すぐにこれは無理だなって気づきましたね(笑い)。

 どう考えても男子と遊んでるほうが楽しくて、楽だったんですもん。好きなゲームして、好きなマンガの話をしてぎゃーぎゃー騒いでるだけで楽しく過ごせるんですから。そんな感じで周りの女子と合わせることをやめてからいじめはさらに激しくなって、少しだけ学校を休んだりしたこともありました。小学生の頃、既にもう「女子の輪」に苦手意識を抱いていたわけです。

 ボクは自分のことを人見知りだと思っていたけど、初対面の男性には別に人見知りしないんですよね。人見知りしてしまうのは女性だけ。それは多分女性に対して苦手意識があるせいなんだろうなって気づけたのは本当につい最近のことです。

 ボクがオンラインゲームでもずっと男キャラばかりで、性別を男だと偽って遊んでいたりするのも、そういった経験が理由のひとつだったりします(あくまでもひとつなので男キャラを使う理由は他にもいろいろありますが!)。オンラインゲームも現実と同じようにさまざまな人間関係があって、コミュニティーがあって、たくさんの人がいますから。たかがゲームといえど、人と接する行為としては現実と何も変わらないです。

 そんな経験もあって、今でも女性がたくさんいる場は得意ではなかったりします。やっぱり会話の内容とかに困ってしまうんですね。ボクとは話しづらいだろうな、話続かないだろうなって。ボクの場合、それこそゲーム好きの女性とかだったら大丈夫なんでしょうけど、ゲームとかが趣味じゃない女性たちはむしろ普段どんな会話をしているのかとても気になります(笑い)。

 だから今現在、ちゃんと連絡をとってたまに会ってご飯を食べたりできる「昔からの女性の友人」という存在はひとりしか思い浮かばなかったり……。逆にボクの場合、やはり男性の方が友人と呼べる存在は多いですね(それでもとても少ない人数ではあるのですが……)。ただ困ったことに、「男性の友人」とは気軽に遊んだりできない状況が多くなってしまったこと。それはボクの性別が(一応)「女」だから。

 大人になってしまったら、男女で遊んでいると周りからは「友人」として認識されない場合がある。これが非常に厄介だなと思っています。お互い本当に友人としての感情以外まったくくなくても、周りからはそんなの分からないじゃないですか。「男女間の友情なんて絶対にあり得ない!」という考えの方もやはりいらっしゃるようですし、仕事的に、男性と歩いていて恋人だと勘違いされてしまうといろいろ迷惑をかけてしまうかも…という心配もあって。

 話しやすい、付き合いやすいのは圧倒的に男性なのですが、なかなか難しいものです。決してボクは女性が嫌いとかではなく、仲良くできるならしたいとは思うのですが、ボクと居ても会話の内容に困るんだろうなぁと思うと自分から積極的にコミュニケーションは取れないままで……。

 ボクがこういう人間だということを理解してくださっている方もいるので問題ないかもしれませんが、そういったセクシャルマイノリティーな人に対して誰もが理解あるわけではないじゃないですか。もしボクのそういった部分が気持ち悪いと思われていたらお互い困るでしょうし、ボクからは近寄らないほうがいいだろうなぁとも思いますしね。

 今いる「友人」との付き合い方、そして新しい「友人」の作り方。これはボクにとっての一生の課題なのかもしれません。たくさんの友人に囲まれるのもとても幸せだと思うのですが、ボクの性格上たくさんの方とうまく関係を保ちながら生きていくのは無理だと思うので(笑い)、少なくてもいいから、心から信頼できる友人がいてくれたらすてきだなぁと思います。もちろん、性別関係なくね!

 今ボクに付き合ってくれてる友人たちには感謝しつつ、これからもよろしくお願いしますと伝えたい(恥ずかしいので絶対直接は言いません)。そして今年の目標としては、気軽にオフで遊んだり、余計なことを何も考えずに話したりできる、気を許せる「女性の友人」ができたらいいなぁと思います。女性の。これ大事。

 この女性の友人を作るという目標は、多分ボクにとってはかなり難易度の高い目標になってしまうのですが……、「友達つくらなきゃ! がんばらなきゃ!!」って必死になるより、気楽に構えて気がついたら友達だった~くらいの楽な感覚で、お友達ができればいいなと思います(笑い)。もしそんな友人ができたときは、またこうやってコラムで報告できたらすてきですね…!

 ◇プロフィル

 あおき・しき=1月14日生まれ。162センチ、AB型。「アイドルマスターシンデレラガールズ」の二宮飛鳥役など。声優、タレントと多方面で活動中。ゲーマーとしても「魔王」の愛称を持つコアゲーマー。

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