ジャパンエキスポ:浦沢直樹「PLUTO」に「ACBDアジア賞」 仏批評家・記者が選出

浦沢直樹さん
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浦沢直樹さん

 仏パリ郊外で開かれ、4日に閉幕した日本のポップカルチャーの祭典「JAPAN EXPO(ジャパンエキスポ)」で、フランスのマンガ批評家と記者の協会(ACBD)が選出する「ACBDアジア賞」が発表され、手塚治虫原作の浦沢直樹さんのマンガ「PLUTO(プルートウ)」が受賞した。

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 「PLUTO」はマンガ誌「ビッグコミックオリジナル」(小学館)に03~09年にわたり連載された。手塚さんの人気作「鉄腕アトム」のエピソード「地上最大のロボット」を浦沢さんがリメークしたもので、手塚さんの長男、眞さんが監修した。謎のロボットによって、世界的に有名なロボットが次々と破壊される事件が起こり、ユーロポールの特別捜査官として活躍しているロボット「ゲジヒト」が事件の真相を追う……という物語。戦争・戦闘のむなしさを描く普遍的なテーマで、イラク戦争を反映させている。

 ACBDアジア賞は、フランスで出版されたアジアのマンガ作品から選ばれる賞で、09年には豊田徹也さんの「アンダーカレント」が受賞。今年は、「PLUTO」のほか、上村一夫さんの「狂人関係」、江戸川乱歩原作で丸尾末広さんの「パノラマ島綺譚」、高浜寛さんの「トゥー・エスプレッソ」、中国作品1作がノミネートされていた。

 また、仏国内で発売された日本のマンガやアニメ、ゲームなどの最優秀作品を、アニメやメディア関係者による審査員が選んだ候補作品の中から、一般からの投票で選ぶ「2010ジャパン・エキスポ・アワード」も同時に発表され、「黒執事」や「イキガミ」など日本でも人気のマンガが各部門で最優秀賞を受賞した。(毎日新聞デジタル)

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