妻夫木聡さん(29)が殺人犯役を演じたことで話題の映画「悪人」=李相日(リ・サンイル)監督=が、8月26日に開幕するカナダ・モントリオール世界映画祭のワールドコンペティション部門に出品することが正式に決定した。
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モントリオール世界映画祭は77年に始まり、毎年8月末~9月初頭に開催されている、トロント国際映画祭に並ぶ北米最大規模の映画祭。最近では、オスカーを受賞した08年の「おくりびと」(滝田洋二郎監督)が最高賞のグランプリを受賞し、09年には「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」で根岸吉太郎監督が監督賞を受賞したことで知られる。このほか、99年に「鉄道員」(降旗康男監督)で高倉健さんが主演男優賞、08年に「誰も守ってくれない」で監督も務めた君塚良一さんが脚本賞を受賞した。
主演の妻夫木さんは「結果がどうであれ、『悪人』という作品が映画祭を通じてさらに多くの人に見てもらえることを、とてもうれしく思います。『悪人』は今の自分にできることはすべてやったと思っています。それは、監督含めスタッフ、キャスト、皆同じ気持ちだと思います。日本映画の底力を世界の人に感じてもらいたいです」とコメント。ヒロイン役の深津絵里さんは「『悪人』が国境を越えることになるなんて。とても大きな喜びを感じています。海外の方々にどのように受けとめていただけるのか、今から楽しみです」、李監督は「この作品に注ぎ込んだ皆の情熱が、モントリオール映画祭という形で一つ報われることにこの上ない喜びを感じます。そして、妻夫木をはじめ、俳優たちが見せる圧倒的な存在感が世界の人々を魅了する瞬間を心待ちにしています」と話している。映画祭のプレミア上映は9月5日(現地時間)を予定しており、妻夫木さんや深津さんらの現地入りを現在調整中。
映画は、第61回毎日出版文化賞、第34回大佛次郎賞を受賞した吉田修一さんのベストセラー小説が原作。「フラガール」の李監督がメガホンをとり、原作者の吉田さんとともに脚本も担当した。音楽は宮崎駿監督作や北野武監督作で知られる久石譲さんが手がけた。長崎のはずれの漁村で生まれ育った土木作業員の清水祐一(妻夫木さん)が、佐賀の紳士服量販店に勤める馬込光代(深津さん)と出会い、刹那(せつな)的な愛に身を焦がすが、祐一は連日ニュースをにぎわせていた殺人事件の犯人だった……という物語。9月11日から全国東宝系でロードショー。(毎日新聞デジタル)
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