注目映画紹介:「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」 バナナマン設楽が初主演

映画の一場面。(c)2010「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」製作委員会
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映画の一場面。(c)2010「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」製作委員会

 人気お笑いコンビ「バナナマン」の設楽統さんの初主演映画「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」(豊島圭介監督)が6日公開される。裁判の傍聴にはまっていく「傍聴マニア」の目を通して、さまざまな人間ドラマが展開する。

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 三流ライターの南波タモツ(設楽さん)は、映画プロデューサーの須藤光子(鈴木砂羽さん)から、“愛と感動の裁判映画”の脚本を依頼されたのをきっかけに、裁判の傍聴を体験する。ところが法廷は、大根の大きさをめぐって友人を撲殺したまじめなサラリーマンや、「歯が痛くて」覚せい剤を打ったと主張する薬物中毒の女など、“愛と感動”とは程遠い事件の裁判ばかり。そんな中、タモツは西村(蛍雪次朗さん)ら傍聴マニアの「ウオッチメン」と知り合い行動を共にするようになるが、ある時法廷で美人鬼検事のマリリンこと長谷部真理(片瀬那奈さん)から「楽しいでしょうね。他人の人生、高みの見物して!」ときつい言葉をかけられる……。

 原作は、北尾トロさんの同名エッセー集で、松橋犬輔さんによるマンガ版(新潮社)は、09年に向井理さん主演でテレビドラマ化されるなど人気を集めている。ドラマ「女優たちの反乱」でギャラクシー賞を受賞し、バラエティー番組の放送作家としても知られるアサダアツシさんが、映画版の脚本を執筆し、「古代少女ドグちゃん」「ソフトボーイ」の豊島監督がメガホンを取った。

 裁判員裁判がスタートして約1年。死刑が求刑された事件を裁判員が担当するなど、裁判に対する注目は依然として高い。そんな中、被告や弁護士、検事といったいわゆる「当事者」ではなく、傍聴人という「第三者」の目線で描かれた異色の作品だ。ともすれば不謹慎とも取られかねないが、バラエティー番組でも他から一歩引いた目線でコメントする設楽さんがそれを緩和しているのは、キャラクターの妙といえるだろう。6日からヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)ほか全国ロードショー。(毎日新聞デジタル) 

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