人気ゲーム「ファイナルファンタジー(FF)」シリーズの生みの親・坂口博信さんが制作したWii用ソフト「THE LAST STORY(ラストストーリー)」(任天堂)の発表会が27日、東京・秋葉原で開かれた。「FF5」以来18年ぶりに、同作でディレクターを担当、陣頭指揮を取った坂口さんは「ダメなら最後の作品でもいい……という決意で作りました。肩の力を抜いて、制作に没頭できました」と話していた。
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ラストストーリーは、主人公の青年エルザが、兄貴分のクォーク率いる傭兵(ようへい)団と共に、繁栄するルリ島を訪れ、領主のアルガナン伯爵に雇われる。騎士の安定した生活にあこがれるエルザは、最初の任務の洞窟(どうくつ)で、謎めいた力を手に入れる……というRPG。「仲間」をテーマに制作したという。
音楽は、坂口さんと同じくFFシリーズにかかわった植松伸夫さんが担当。左手だけでプレーヤーキャラクターを動かし、自動的に敵を攻撃(手動への切り替え可能)、自らをおとりにして味方キャラクターの攻撃する時間を稼ぐなどの駆け引きもある。インターネットに接続して、オンラインの戦闘も楽しめるほか、動画つきのチュートリアル(導入解説)を付けるなど初心者にも配慮した。11年1月27日発売予定で、6800円。
27日開かれた発表会で、坂口さんは自らゲームの見どころを解説。味方に指示を出して魔法で石橋を壊して敵をまとめて倒すシーンや、街の中でバナナの皮で通行人を滑らせるといったユニークな仕掛けなどを披露した。最後には、任天堂の岩田聡社長が登場。ゲームのシナリオが一度ひっくり返ったこと、9カ月という最長のデバッグ(テストプレー)を終えて、スタッフが涙を流したことなど開発中のエピソードなどを明かし、「坂口さんの新たなチャレンジをぜひ多くの人にみてもらえれば」とエールを送った。
また坂口さんは、植松さんの音楽を一度ダメ出しするなど、ゲームを制作するうえでの約束ごとをいったんキャンセルし、再構築してゲーム作りに挑んだことを明かしながら、「これで楽しんでもらえないなら、僕の考え方が世間とずれているということ。作っても意味がない。まずは多くの人に触ってもらいたい」と話していた。(毎日新聞デジタル)
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