東京都北区と荒川区の110の商店街が合同で行う歌のコンクール「北区・荒川区ミュージックフェスティバル」の決勝戦が10日、「サンパール荒川」(荒川区)で行われ、北区東田端一丁目商店会代表の山屋晃さんが優勝した。会場には約800人の観客が詰めかけ、山屋さんら出場者の歌に大きな拍手を送った。審査員には歌手の香田晋さん(43)、シンガー・ソングライターの小坂明子さん(54)らが名を連ねた。両区の商店街の合同イベントは今回が初めて。
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「北区・荒川区ミュージックフェスティバル」は、北区と荒川区の商店街活性化を目指した商店街の交流イベントで、東京都商店街振興組合連合会、北区商店街振興組合連合会、荒川区商店街振興組合連合会が主催。商店街の小規模商店が減少傾向となる中、商店街同士の交流を促進して互いの取り組みや工夫を学ぶ場として企画された。各商店街の経営レベルを向上させ、活性化させることで、地域活性化を目指している。両区は、詩歌管弦を普及させた室町時代の武将・太田道灌のゆかりの地で、太田道灌にちなんだ「大赤羽祭」(北区)やサンバ・カーニバル(荒川区)、阿波踊り(荒川区)など音楽イベントが開催されていることから同コンクールが開かれた。
初の開催となった今回は、北区の67の商店街と荒川区の43の商店街から、各商店街の利用客1人が代表となり、1月25日に北区赤羽会館で予選を実施。決勝戦には北区から7人、荒川区から5人がコマを進め、11人が出場した。審査員長は北区在住で、小林旭さんや北島三郎さん、川中美幸さんらに楽曲を提供している作曲家・只野通泰さんが務め、北区賞、荒川区賞が各1人、審査員特別賞が2人、熱演賞とパフォーマンス賞が各1人、そのほかの出場者には敢闘賞が贈られた。住民の交流の場として予選、決勝とも入場無料で客席を開放した。
コンクールで優勝した山屋さんは長渕剛さんの「素顔」を歌い上げ、女性デュオ「Wink」のヒット曲「愛が止まらない」「淋しい熱帯魚」などを手がけた作詞家で審査員の及川眠子さんから「つややかで美しい声。引き込まれてしまう。情景や情感がひしひしと伝わってきました」と絶賛されていた。香田さんと小坂さんはミニコンサートを行い、香田さんが「東京ではめずらしい四月の雪」「私にだって」「越後湯沢駅」「艶歌師」、小坂さんが「ライ・ララ 青い月」「遠い夜に抱かれて」「あなた」を披露。只野審査員長は「歌を歌うことによって不老長寿になる。歌を歌って人生を楽しんで」と出場者と観客に呼びかけた。
北区と荒川区は今後も商店街活性化を目的としたイベントを開催する予定。(毎日新聞デジタル)
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