SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第1話 再出発!集う麦わらの一味!
11月3日(日)放送分
山岳救助ボランティアの活躍を描いた石塚真一のマンガ「岳 みんなの山」(小学館)が、小栗旬さん、長澤まさみさんの共演で映画化された。山を愛し、雄大な心を持つ、小栗さん扮(ふん)する島崎三歩が遭難者を救助しながら山登りの面白さを広め、命の尊さを説くヒューマン作だ。長澤さんが演じるのは、三歩が影響を与える山岳遭難救助隊の新人・椎名久美役。立山連峰など3000メートル級の山々での過酷な撮影をこなした2人に話を聞いた。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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「まさか自分のところに(三歩役が)来るとは思っていませんでした」という主人公・島崎三歩役の小栗さん。以前から原作を読み、三歩の人となりをよく知っていただけに、役をオファーされたときは「マンガのキャラクターはこれまでも演じていますが、今回ほど自分の外見とかけ離れたものはなかった」と振り返る。
しかしそれがむしろ、外見を意識せず、「山に行って、その日の気温や天候、あるいは風の強さや温かさ冷たさ、周辺のにおい、そうしたものに身体が反応するがまま動かしていこう」という内面重視の役作りを可能にさせた。小栗さんは、10年3月の撮影開始前の09年12月から自主トレーニングを開始。岩登り練習用施設でクライミングの練習を重ね、10年2月には登山訓練のため八ケ岳を訪れるなどして筋力、体力のアップを図り、高所恐怖症も克服した。
その結果、今回は、「出来上がった作品の中に自分でも見たことのない表情を見つけ、自分でも驚いています。それもすべて山が教えてくれたこと。今回は、その部分が見どころの一つといえると思います」と胸を張れるほどの自信作に仕上がった。
一方の長澤さんは役作りのために髪の毛を30センチも切り、また、八ケ岳での雪山訓練やクライミングの練習にも参加した。オファーを受けてから原作を読んだというが「山について初めて知ることがたくさんありました。それがすごく面白かったですし、久美という役も今まで演じてきたことのない役だったのでとてもうれしかった」と喜びを素直に表す。どうやらそこには「久美は救助隊の新人で、私自身、彼女と一緒に成長していきながら撮影を進めていけた」という役柄への共感もあったようだ。半面、久美を「喜怒哀楽が激しい子」と冷静に分析。「徐々に成長していく過程のさじ加減を、片山修監督から細かくアドバイスをいただきながら演じていった」という。
撮影は、八方尾根や奥穂高岳、立山連峰など標高3000メートル級の山々で行われた。だからこそ役者たちは、リアルな感情を作ることができた。小栗さんは映画の撮影期間中に別の仕事があり、それを済ませてから現場に戻ったら、「スタッフから『なんか、あか抜けちゃったね』といわれた」と笑う。確かに、三歩を演じていたときのふっくらしたほおも素朴な髪形も、撮影を終えて大分たってからインタビューを受けてる小栗さんには見当たらない。小栗さんいわく、「この(三歩役の)ときと今とでは10キロぐらい体重が違う」そうだ。
雪山の撮影は天候や気温に左右されやすいが、もうひとつ、スタッフ、キャスト泣かせなのが足跡。一度誰かが歩くとあとが付いてしまうため、何度もリハーサルはできない。そのため、「一発勝負のようなことがとても多かった」と小栗さんは明かす。小栗さんがお気に入りのシーンとして挙げたのは、滑落停止の方法を教えるために久美を雪山から落とす場面。なかなかうまくいかず、いろんな斜面でチャレンジを繰り返した末に、本番では「思った以上に滑っていった」(小栗さん)。これには滑った長澤さんも「びっくりした」と苦笑いだった。
「ロボコン」で初共演を果たしてから8年。「またこういう形で共演できるということはありがたいこと」と小栗さんは喜ぶ。長澤さんも「若いときから一緒に仕事をしてくれているスタッフさんたちがたくさんいた」ことが心強かったとそうで、「最初のトレーニングからファミリー感満載」(小栗さん)だったという
こうして出来上がった作品について、映画の中で三歩は遭難者に対して「よく頑張った!」と励ましの言葉を何度もかける。これについて小栗さんは「頑張っている人に頑張れというのは抵抗があるんですけど、よく頑張ったというのはいいなあと思います。だって、命があったということだけでも、『よく頑張った』ということなのですから」と感想を述べた。そして、長澤さんと2人、今回の撮影を改めて振り返って「本当によく頑張ったと思います」と互いをねぎらいつつ、さらに「スタッフさんたちもほんとうに頑張ったと思います」(長澤さん)と製作陣を思いやった。映画は7日から全国で公開予定。
<小栗旬さんプロフィール>
1982年、東京都出身。98年、「GTO」で連続ドラマ初レギュラー出演。以降、「ごくせん」(02年)、「花より男子」(05年)をはじめ、映画「ロボコン」「あずみ」(03年)、「クローズZERO」シリーズ(07、09年)などテレビドラマや映画、さらに舞台でも活躍。10年には初監督作「シュアリー・サムデイ」が公開された。
<長澤まさみさんプロフィール>
1987年、静岡県出身。00年、「第5回東宝シンデレラオーディション」でグランプリを獲得し、同年、映画「クロスファイア」でデビュー。以降、数々の映画やテレビドラマに出演。主なテレビドラマに「セーラー服と機関銃」(06年)、「ハタチの恋人」(07年)、「ぼくの妹」(09年)、映画に「ロボコン」(03年)、「世界の中心で、愛をさけぶ」(04年)、「曲がれ!スプーン」(09年)などがある。
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