3万ピースの組み立てブロック「レゴブロック」(レゴジャパン)を使って岩手県にある世界遺産「平泉」の「中尊寺金色堂」を“再現”した作品が完成し14日、東京ビッグサイト(東京都江東区)の「東京おもちゃショー」で完成披露セレモニーが開催された。「レゴブロックで作った世界遺産−平泉(中尊寺金色堂)」と題された作品は、実物の約10分の1のサイズで、高さ75センチ、幅75センチ。レゴジャパン公認で作品を作る「モデルビルダー」の直江和由さんによって、約120時間かけて作られた。
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作品の制作は、平泉が今年6月に、世界遺産となって1周年を迎えたことを記念して、レゴと岩手県が共同で行った企画。平泉が「東日本大震災の希望の象徴となった」として、東北・岩手の復興、観光活性を願って作られた。レゴが行政とともに共同プロジェクトを行うのは、11年の島根県松江市に続き2回目。世界遺産としては初めての取り組みとなる。
セレモニーには直江さんや、中尊寺の菅野澄円(かんの・ちょうえん)事務局総務部次長なども出席。直江さんは設計図なしで作品を作ったといい、「木材の建物をプラスチックで表現するのは大変でした。木材のたわみやしなりを出すのに苦労しました。瓦も本物と同じ枚数です」とこだわりを語り、菅野次長は「本当に精巧に作っていただいた。中尊寺の名工も感心していると思います」と賛辞を贈った。
平泉は、仏教の中でも特に浄土思想の考え方に基づいて作られた多様な寺院・庭園や遺産が一群として残っていることから、11年6月にユネスコの世界遺産リストに登録され、日本の世界文化遺産の中では12番目、東北地方では初の世界文化遺産となった。
「レゴブロックで作った世界遺産−平泉」は、「東京おもちゃショー」のレゴジャパンブースに15日まで展示された後、16、17日に岩手県平泉町で開催される「平泉福興祭」の観自在王院跡の特設会場で公開。その後は平泉町内にある平泉文化遺産センターに展示されるほか、各種PRイベントで展示される予定。(毎日新聞デジタル)