奥田瑛二:ロケで1カ月半ジャングル体験「癒やしはヤモリとカピバラ」

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 俳優の奥田瑛二さんが18日、東京都内で開催された映画「汚(けが)れた心」(ヴィセンテ・アモリン監督)ジャパンプレミアに共演の伊原剛志さんと常盤貴子さんと登場。第二次世界大戦直後のブラジルを舞台に日系人社会を描いた映画で、奥田さんは「撮影のため1カ月半ほどブラジルのジャングルで暮らしていた」と振り返り「黒と白のヤモリにクロと花子って名前を付けていました。それが癒やしでした。この人たち(伊原さんと常盤さん)は休みの日に街に遊びに行っていましたけれど。僕はずっと森の中でクロと花子をお友達にして。あとはカピバラかな」とおちゃめな側面を見せ笑いを誘っていた。

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 映画は、ブラジル人ジャーナリスト、フェルナンド・モライスさんのベストセラーノンフィクション「Coracoes Sujos(汚れた心)」を原作に、実際に日系移民の間で起きた、日本の勝利を信じ続けた“勝ち組”と日本の敗戦を受け入れた“負け組”との争いを描いている。日系人コミュニティーのリーダーである元日本帝国陸軍の大佐ワタナベ(奥田さん)は大和魂の名のもとに“裏切り者”の粛清に乗り出す。ワタナベ一派が標的にしたのは日本が降伏したという事実を受け入れた同胞たちだった……というストーリー。ワタナベによって刺客に仕立てられた写真館の店主タカハシを伊原さん、その妻ミユキを常盤さんが演じている。

 元日本帝国陸軍の大佐のワタナベを演じる一方でアソシエイトプロデューサーも務めた奥田さんは「最初は俳優だけのつもりだったんですが(映画に出演する)ブラジルの大人や若者は日系3世で日本語が通じなくて。号令や敬礼、万歳の仕方など容赦なく鍛えました」と“奥田塾”で現地の若者たちを指導したことを明かし「美術も中国風だったりしたのでそこもチェックしました。でもギャラはなしです」と語った。

 常盤さんは「脚本を読み終えてから恐怖心が芽生えた。戦争や同族同士の争いと、一番怖かったのは報道規制。それによって不安をあおられてエスカレートしてしまうというのは今にも通じる恐ろしさ」と話し、伊原さんも「今の世の中にも通じる人間の弱さ、洗脳されてしまう人間の弱さとか組織の命令に従わざるを得ない人間の弱さなどが描かれている映画」と映画をアピールした。映画は21日公開。(毎日新聞デジタル)

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