04年の作品「あるいは裏切りという名の犬」のオリビエ・マルシャル監督の最新作「そして友よ、静かに死ね」が15日に公開された。伝説のギャングとして一時代を築いたエドモン・ヴィダル。還暦を迎えた彼は、いまは危険な仕事から足を洗い、家族やかつての仲間たちと静かな日々を送っていた。その彼のもとに、親友セルジュが逃亡の末に逮捕されたとの知らせが入る。最初は「自業自得」といっていたヴィダルだったが、親友を見捨てることはできず、仲間たちとセルジュを助け出そうとするが……。
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マルシャル監督は元警察官。その経験を生かし、これまで数々の映画やテレビドラマを監督したり、俳優として出演したりしてきた。今作では70年代に“リヨンの男たち”としてフランス犯罪史にその名を刻んだ実在のギャング、ヴィダルの半生を、フィクションを織り交ぜて描いており、本人がアドバイスするなど協力しているという。映画化のきっかけは、マルシャル監督の元に、あるとき本人から自費出版した本が送られてきたこと。それは、本人が足跡を記録し、また贖罪(しょくざい)のためにしたためたもので、それを読んだマルシャル監督が興味を持ち、映画化に動いたという。
ヴィダルを演じるのは、「ル・ブレ」(02年)や「この愛のために撃て」(10年)のジェラール・ランバンさん。セルジュに「ラスト・アサシン」(11年)や「ドーベルマン」(97年)などで知られるチェッキー・カリョさんが扮(ふん)している。男同士の友情や裏切りを、渋い俳優たちの演技でじっくりと見せていく。大人な男だからこそ醸し出せる冷ややかな緊張感と、オジサンくささとは異なる男くささにしびれた。15日から銀座テアトルシネマ(東京都中央区)ほか全国で順次公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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