8日から上演される舞台「唐版 滝の白糸」に出演する宝塚歌劇団の元宙組トップスター・大空祐飛さんと俳優の窪田正孝さん、平幹二朗さん、演出を担当する蜷川幸雄さんが、公演初日に向けてコメントを発表した。同居していた男と心中を図ったものの生き残った水芸人のお甲役で主演する大空さんは「生命そのもののように激しい女・お甲。彼女が自身を昇華してみせる“奇跡の芸”で劇世界を染め上げられるよう、私のエネルギーをすべてこの舞台で解放したいと思います」と意気込みを語った。
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「唐版 滝の白糸」は、唐十郎さんが泉鏡花の小説「義血侠血」に着想を得て1975年に初演された作品で、蜷川さんが13年ぶり4回目の演出を務める。蜷川さんは「この作品には“出会った”時から恋をし続けており、今回はその恋が一つの成就を迎えたと言って良い仕上がりになりました。昨今稀有(けう)な詩情とスペクタクル、演劇にしかできない表現にこだわり抜いたこの舞台を、多くの方にご覧いただき、その原初のエネルギーを感じていただきたいと切に願っています」とコメントしている。
孤独な少年から禁断の恋に翻弄(ほんろう)される青年へと変わっていくアリダ役の窪田さんは「大先輩の方々から刺激をいただきつつ、僕自身、自分が作品を通してどこまで変化できるか、精いっぱい頑張りたい」と意欲満々。10年前にアリダを誘拐しようとした謎の男・銀メガネ役を演じる平さんは「不条理、前衛作品と対峙(たいじ)する機会の少ない僕にとって、この舞台は大いなる挑戦の場。原点に戻って取り組むしかないと考えています」と意気込んでいる。
「唐版 滝の白糸」は、29日までBunkamuraシアターコクーン(東京都渋谷区)で上演。11月12~16日にはシアターBRAVA!(大阪市中央区)で上演予定。(毎日新聞デジタル)