MD松尾の月間ヒット予測:「ソードアート・オンライン」がトップか 14年4月

 「ヒット解析」でおなじみ、TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さんが、その経験と綿密な調査で、月間ランキングを大胆に予測する月1回の企画「MD松尾の月間ヒット予測」です。

あなたにオススメ

 2013年の4月は、全体的には例年並みの売れ行きでした。「トモダチコレクション 新生活」(3DS、任天堂)がダントツでしたが、「ドラゴンズドグマ:ダークアリズン」(PS3、カプコン)、「NARUTO−ナルト−疾風伝 ナルティメットストーム3」(同、バンダイナムコゲームス)なども期待以上の売り上げを記録。「ルイージマンション2」(3DS、任天堂)がロングセラーになったのもうれしい誤算でした。一方でハード市場はやや厳しい結果。値下げ効果でVitaの台数は伸びたものの、売り上げ的にはもう一つでした。

 さて今年の4月は、幅広い層を対象にしたタイトルがそろった昨年と比べると、ソフトのラインアップが厳しい印象。コアユーザー向けのタイトルが上位に集中しそうです。消費税の増税直後ということに加え、商戦期にあたるゴールデンウイークも今年は飛び石連休になってしまうので、状況としても厳しいですね。ただ、こうしたマイナス要因が逆に巣ごもり傾向につながるとゲーム市場には追い風になるので、状況を注意深く見きわめていきたいですね。

 トップと予想しているのは、アニメ化でブレークした人気ライトノベル原作の「ソードアート・オンライン−ホロウ・フラグメント−」(Vita、バンダイナムコゲームス)。前作「インフィニティ・モーメント」は大欠品した人気タイトルですが、高校生を中心に20代まで段階的に浸透してきたのが特徴で、結果的にロングセラーを記録しました。7月にはアニメ2期の放送も控えていますし、予約も絶好調で期待したいところです。

 続くのは「第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇」(PS3・Vita、バンダイナムコゲームス)でしょうか。人気の「機動戦士ガンダムUC」の初参戦など話題性も十分。PS3とVitaという2ハードでの発売ですが、合計するとトップになる期待のタイトルです。PS3版とVita版で購買層も異なるようで、据え置き機のPS3版はちょっと年齢層が高いですね。前作がロングセラーとなった「シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール」(3DS、スクウェア・エニックス)もゴールデンウイーク直前の発売ということで、期待しています。

 ◇14年4月のヒット予測

1位 ソードアート・オンライン−ホロウ・フラグメント−(Vita)

2位 第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇(PS3)

3位 第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇(Vita)

4位 シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール(3DS)

5位 マリオパーティ アイランドツアー(3DS)

6位 わがままファッション GIRLS MODE よくばり宣言! トキメキUP!(3DS)

7位 プロ野球スピリッツ2014(PS3)

8位 プロ野球スピリッツ2014(PSP)

9位 戦国無双4(PS3)

10位 JUST DANCE Wii U(WiiU)

 ◇参考 13年4月売り上げ結果(TSUTAYA調べ)

1位 トモダチコレクション 新生活(3DS)

2位 ドラゴンズドグマ:ダークアリズン(PS3)

3位 ルイージマンション2(3DS)

4位 NARUTO−ナルト−疾風伝 ナルティメットストーム3(PS3)

5位 セブンスドラゴン2020−2(PSP)

6位 とびだせ どうぶつの森(3DS)

7位 ワンピース 海賊無双2(PS3)

8位 ヴァンガード ライド トゥ ビクトリー!!(3DS)

9位 プロ野球スピリッツ2013(PS3)

10位 プロ野球スピリッツ2013(PSP)

 ◇プロフィル

 松尾武人(まつお・たけと) TSUTAYAゲームリサイクル企画グループ リーダー

 「GAME TSUTAYA」加盟約550店に新作ゲームの商品提案をするマーチャンダイザー。1996年から家電量販店でゲームのバイヤーを担当。2002年にTSUTAYA入社後も一貫してバイヤーの道を歩んできた。ネオジオCDを2台購入したほどの格闘ゲーム好きだったが、現在は携帯版ドラクエなどで遊ぶ日々が続いている。

ゲーム 最新記事