女優の宮沢りえさんが31日、「彩の国さいたま芸術劇場」(さいたま市中央区)で行われた舞台「海辺のカフカ」の記者会見に登場。演出家の蜷川幸雄さんと3度目のタッグを組む宮沢さんは「今回はこちらに蜷川さんからのげきは飛んでこず、(新人俳優の古畑)新之君へのげきなんですが、自分にきたものとして感じている」といい「(蜷川さんは)丸くなったりとんがったりと“日替わり”です」と話し、笑いを誘った。
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舞台は村上春樹さんの同名小説が原作で、2012年に上演された舞台をキャストを一新して再演する。「世界で最もタフな15歳になる」ことを決意した少年・カフカ(古畑さん)は、15歳の誕生日に家出をし、四国へ向かう。カフカは四国で身を寄せた図書館で司書の大島(藤木直人さん)や、幼い頃に自分を置いて家を出たと思われる女性・佐伯(宮沢さん)に会い、父親にかけられた“呪い”に向き合うことになる……というストーリー。
宮沢さんは「(蜷川さんの舞台で)毎回思うことですが、演劇界を走り続けてきた濃厚な時間と経験を持つ存在から出る言葉に、時に励まされ、時に自信をなくし、時に背中を押され……というひとときは私の宝物です」と語った。蜷川さんの舞台に初参加している藤木さんは「蜷川さんは灰皿が飛んでくるイメージだったんですが、実際に参加したら稽古(けいこ)場が刺激的で勉強になった。役者に優しく、愛情にあふれていた。もっと早く参加しておけばと思ったけれど、最近丸くなったと聞いたので、今でよかったのかな」とジョーク交じりに語った。
古畑さんは、同舞台が初めての本格的な演技の場で「自分の世界の小ささに打ちひしがれた。こんなにたくさんの人と仕事をする、一緒の場にいるのは初めて。すべてが新しい」と目を輝かせ、「緊張しています」と何度も口にした。蜷川さんは「楽しみ苦しんでにぎやかに稽古(けいこ)をしている。前回よりも緻密(ちみつ)な舞台に仕上がっている」とアピールした。舞台は6月1~7日に彩の国さいたま芸術劇場、6月21~7月5日に赤坂ACTシアター(東京都港区)で上演される。