注目映画紹介:「るろうに剣心 京都大火編」 京都編を2部作で実写化 帰ってきた剣心が大暴れ

(C)和月伸宏/集英社 (C)2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会
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(C)和月伸宏/集英社 (C)2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会

 俳優の佐藤健さん主演で2012年に公開された和月伸宏さんの人気マンガを実写化した映画「るろうに剣心」の続編となる「るろうに剣心 京都大火編」(大友啓史監督)が8月1日に公開される。映画は、原作で最も人気の高い「京都編」をベースに前後編の2部作で公開され、京都を舞台に主人公・緋村剣心の後継者として“影の人斬り役”を引き継いだ志々雄真実(ししお・まこと)らとの戦いが描かれる。

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 剣心役の佐藤さんや神谷薫役の武井咲さんら前作のキャストに加え、新たなキャラクター役として志々雄役の藤原竜也さん、瀬田宗次郎役の神木隆之介さん、四乃森蒼紫役の伊勢谷友介さんら豪華な顔ぶれも登場し、原作の世界観を再現した。また歌手で俳優の福山雅治さんが出演していることも話題で、福山さんはマンガ原作の実写映画は初出演となる。

 かつて“人斬り抜刀斎”と恐れられた伝説の人斬り・緋村剣心(佐藤さん)は、新時代を迎え、神谷薫(武井さん)ら日々を送っていた。ある日、剣心は新政府から自身の後継者として“影の人斬り役”となった志々雄真実(藤原さん)が、京都で暗躍していると聞かされる。政府の派遣する討伐隊はことごとく志々雄に退けられたため、剣心に討伐の命が下る。一大兵力を築きクーデターを狙う志々雄を阻止すべく、剣心は必死で止める薫に別れを告げて京都へと向かう……というストーリー。

 2部作の前編ということで、“導入”的な展開の抑え気味になるのかと思いきや、そんな不安はどこへやら、スピード感と破壊力のあるアクションシーンなど前作を上回るスケールにくぎ付けになる。原作でも1、2を争う面白さを誇る長編エピソードをどのようにまとめてくるのかが気になったが、前編の段階では原作に寄せつつアレンジされ、オリジナル要素も加えて小気味よい展開でまとめ上げられている。剣心そのものにしか見えないほどこだわり抜いた外見と心の奥底までを表現している佐藤さんの演技をはじめ、キャストにより肉体を与えられた各キャラクターも原作ファンの期待を裏切らず、ビジュアルや肉体的な説得力などは前作より増しているように感じる。特に志々雄役の藤原さんの演技は鬼気迫るものがあり、包帯の間から見える狂気の目や声の演技に圧倒される。

 邦画ではなかなかお目にかかれないハイレベルのアクションが楽しめ、「待ちに待った」という言葉がふさわしく、また後編の公開が待ち遠しい。後編「伝説の最期編」は9月13日公開予定。前編「京都大火編」は8月1日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もOKと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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