注目映画紹介:「新劇場版 頭文字D Legend1−覚醒−」 新3部作第1弾 拓海と86の初戦描く

(C)2014 新劇場版「頭文字D」製作委員会
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(C)2014 新劇場版「頭文字D」製作委員会

 しげの秀一さんの人気マンガ「頭文字D」を基に劇場版アニメ化した「新劇場版 頭文字D Legend1−覚醒−」(日高政光監督)が23日に公開される。「頭文字D」は、これまでもテレビアニメの放送や劇場版アニメの公開、実写映画化もされてきたが、今作は映像や音響、キャストなどを一新し、新3部作として製作。キャストには主人公の藤原拓海役を演じる宮野真守さんを筆頭に、拓海のライバルで高橋兄弟の弟・啓介役の中村悠一さん、兄・涼介役の小野大輔さんら実力派が顔をそろえている。3DCGに定評あるサンジゲンとライデンフィルムがアニメーション制作を担当し、音楽を元レベッカの土橋安騎夫さんが手がけている。迫力のバトルシーンと実車で録音したリアルなエンジン音で“走り屋”たちの青春、その第1章となる拓海らの初戦が描かれる。

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 走り屋チーム「赤城レッドサンズ」のナンバー2で、最新鋭の黄色のRX−7を操る高橋啓介(声・中村さん)は、秋名山・峠下りのドリフト勝負で一昔前のパンダカラーのトレノ(通称ハチロク)に抜き去られてしまう。赤城レッドサンズは秋名山に集結し、勝負を目撃していた池谷浩一郎(声・土田大さん)率いる「秋名スピードスターズ」に交流戦を持ちかけ、ハチロクを対戦相手に指名する。池谷はガソリンスタンドでバイトする高校生・藤原拓海(声・宮野さん)の父親で、かつて“秋名最速の走り屋”といわれた藤原文太(声・平田広明さん)の存在を知り、交流戦参加を頼むが……という展開。

 新3部作の第1弾だが、16年もアニメシリーズが続いていたこともあってか、キャストはじめ変更部分に戸惑いを覚えなかったわけではない。だが、不安を吹き飛ばしてくれるほどの熱量と完成度があった。躍動的で繊細という原作の独特のタッチをアニメで表現し、臨場感と迫力がプラスされた映像は秀逸で、ともすると熱気が感じられなくなってしまいそうな3DCGが使われているバトルシーンも、そんな心配は杞憂(きゆう)に終わるほどの迫力を生み出している。音の面でもハチロクはじめ実車を筑波サーキットに集めてエンジン音などを録音したというこだわりぶり。バトルを盛り上げる河村隆一さんが歌う主題歌「never fear」と合わせて、サウンド面の充実ぶりはいうまでもない。原作の雰囲気が絶妙に織り込まれたアニメとリアルが融合して描かれる公道バトルは見応え十分。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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