よしもとクリエイティブ・エージェンシーが、落語や新喜劇などで芸人が話したことが、そのまま日本語や英語の字幕で出るという「多言語会場字幕付き公演」を行うことが決定し2日、東京都内で会見が行われた。同社が多言語会場字幕(英語・日本語)を表示する演出を加えて公演を実施するのは初めて。
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多言語会場字幕付き公演は、聴覚障害などハンディキャップのある観客、外国人観光客なども、言葉の壁を越えてお笑いを楽しめるように企画。NHKの番組の生字幕放送などを手がけ、ライブイベントの言葉をリアルタイムでテキスト配信する「LIVE TEXT」の技術を持つNHKグローバルメディアサービスの協力を経て実現した。よしもとの劇場センター長を務める坪倉大輔さんは「吉本興業のライブを海外の方にも楽しんでいただくのは長年の課題だった。増え続ける海外からの観光客に対して、日本のショーを見てもらう文化を作っていきたい」と期待を寄せた。
会見は4人のオペレーターが参加し、実際に会見の発言をすべて生字幕としてプロジェクターに表示。さらに落語家の桂三四郎さんが、日本語の吹き出し風字幕付き落語を披露したほか、吉本新喜劇の場面をお笑い芸人のチャド・マレーンさんによる英語字幕付きで、デモンストレーションした。会見の司会者としてデモンストレーションを見たピン芸人のタケトさんは、落語を見て「タイムラグは全く感じないですね。上下で登場人物が代わったときに、吹き出しの位置が変わるからいい」、新喜劇の英語字幕には「一人一人字幕の色が違って分かりやすい。写真も出るんですね!」と感心。演じた新喜劇の座員たちも「やっていても違和感がなかった」「(例え話の時に)もっと写真を出したい」と感想を語っていた。
多言語会場字幕付き公演は、6月5日に東京・神保町花月で開催される「桂文枝(字幕)落語会」、6月9~12日に東京・東京グローブ座で開催される「THE舶来寄席2016東京公演」で実施予定。会場字幕は、基本的に事前に落語や新喜劇などの台本を字幕にしたものをベースにするが、落語のまくらなど、その場のアドリブに対応できるように、リアルタイムでも文字を表示するという。