ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
人気ゲーム「ポケットモンスター」の劇場版アニメ19作目「ポケモン・ザ・ムービーXY&Z『ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ』」(湯山邦彦監督)が全国で公開中だ。超カラクリ都市「アゾット王国」を舞台に、空から現れた大きなポケモン「ボルケニオン」と不思議な鎖でつながれてしまった主人公のサトシが、未知なる力を秘めた人造ポケモン「マギアナ」を助け出すために仲間らと奮闘する姿を描く。ゲスト声優として、幻のポケモン、ボルケニオン役で歌舞伎俳優の市川染五郎さん、アゾット王国の王女キミア役で女優の松岡茉優さんらが出演。同国の王子ラケル役で“ポケモン映画”に10年連続ゲスト声優を務める中川翔子さんに聞いた。
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2007年公開の「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ」でマキ役を演じて以来、今回が“ポケモン映画”10作目の参加となる中川さん。「感無量すぎて本当に不思議です」としみじみ言い、「10年というとサトシの人生一人分! 私がポケモンに出合ったのもちょうどそれぐらいの年齢だったから、もうサトシの3倍も生きてしまっている」と笑う。
10年連続でゲスト声優として出演してはいるが、中川さんは「毎回びっくりです」と出演できる喜びを表現し、「(出演が)重なるごとに、そのとき生まれていなかった子供たちもポケモンに出合って歴史の中に入ってきて、たとえば(13年公開の劇場版で私が)ニンフィアを演じた映画のときには生まれていなかった子が、お手紙を書いてくれたりして不思議な気持ちになります」と驚く。
続けて、「地球がある限りずっと残るものに10年も参加させていただけたということに胸がいっぱい」と感慨深げに話し、「どんなお仕事でも、どんな瞬間でも子供たちが笑顔になれることをできるというのが最高にうれしい。人類としてもドキドキ、ワクワクすることが一番幸せで、それが『ポケモン』のお陰でできているこの10年は、本当に幸せ」と喜びをかみしめる。そして、「10年という数字が意識を一段上に連れていってくれる気がして、最近、気持ちが“メガシンカ”している感じがしています」とポケモン用語を交えて現在の心境を表現し、「この10年の中川翔子を作ってくれたのがポケモン映画だと思っていて本当に感謝しています」と真摯(しんし)に語る。
これまで劇場版シリーズでさまざまな役を演じてきた中川さんだが、「アンドロイドもあったと思ったら、ポケモントレーナーにポケモン役、双子の子供もあったりしましたが、(ラケルが)今までで一番難しかったです」という。特に難しかった点を、「14歳の男の子は一番多感で揺れ動き、男としての自我とかいろんなものが芽ばえる瞬間でもあるから、声をどこまで男の子を意識して寄せるかとか考えましたが、やり過ぎちゃうと変なふうになっちゃいそうだと思った」と説明する。さらに「すべての経験値をこの10年目にぶつけなくてはという気持ちがあったのですが、考えすぎてもいけないと思った」と冷静になるよう努めたという。
ラケルというキャラクターを「すごくいい子で、純粋によかれと思って真っすぐに研究を続けていてちょっとオタク的なところがある」と分析し、「私も14歳くらいの頃、部屋に引きこもって音楽を聴いて歌って絵を描いてゲームをして、好きなことをずっとやっていたから、ラケルの気持ちがすごく分かるなというところもある」と共感を示す。
しかし、「私だったらきっと、よかれと思ってやっていたことで失敗しちゃったら落ち込んじゃうけれど、ラケルは自分自身のいろんな葛藤と闘うという強い子。落ちるのではなくて反省して、かみしめてまた次に乗り越えていくというところがいいなって」とラケルの強さに引かれたと話し、「こんな息子だったらなみたいな、そういう目線になってきたのが不思議」とほほ笑む。
さらに、「ラケルが自分のせいだからと逃げずに受け止めてサトシに向かって話すところは、自分で演じていながらもラケルに萌(も)えちゃいました(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに語る。そして「逃げずに自分自身と向き合う強さというのが、大人な私も学ばせていただけたので、小さい子だけでなくラケルと同じぐらい多感な時期の少年少女にも見てほしい」とアピール。さらに、「お姉様方にはラケルのちょっと危なっかしいところ、心の柔らかい感じのところに興奮してもらいたいです(笑い)」と勧める。
今作ではボルケニオンとマギアナの関係性などから絆や成長というテーマがクローズアップされているが、「見ている私たちがどう見るかで違って見えてくるというのもありますが、それぞれがちゃんと人間らしいというか、(山寺さん演じる王国の大臣)ジャービスのような合理的な考え方をする大人も普通にいるので分かるところもあって、アニメだからでは済まされない生々しさもある」と切り出し、「ラケルが葛藤して悩んで自分を責めるだけでは終わらず、意志を固めて走り出すところや、サトシが『俺はうそをつかないから』とさらっと言うところもカッコよすぎ」と魅力を力説する。
続けて、「ボルケニオンは熱くて不器用で、ちょっと照れて本当のことを言えないけど誰よりも愛を深く持っている。心の熱さが本当に素晴らしくて、世の男たちはボルケニオンを見習えと言いたいぐらい(笑い)」と力を込め、マギアナについても「『ぷぷぷ』(というせりふ)だけで表情も同じはずなのに、すごく悲しくも愛らしくも笑顔にも見えてくるので、とってもイマジネーションを育ててくれているんだなって。子供たちにもいっぱい見せたい」と目を輝かせる。「どんな瞬間でも『ポケモン』から学べる、教わることは山ほどあります」と深くうなずく。
「ポケモン」に出合う前と後では「全然違う地球に見えます」と言い、「地球を一つにしてくれる、とってもすてきな世界」と絶賛する中川さん。今では「もうピカチュウがそこにいるだけで、一生懸命そこにいてくれてありがとうって泣けてくるようになっちゃいました」と笑い、「これから先、親目線だったり孫がいる状態で『ポケモン』を見たら、今まで何回も見た作品も新しい作品もきっと全然違って見えるんだろうなと思う」と言い、「私に孫が出現するぐらいのときには、ポケモン(の種類)は4桁いっているんでしょうね(笑い)」と楽しそうに話す。
そして、「大人になった今、自分がいっぱい失敗したり落ち込んだりとかもあるけど、いつもリセットさせてくれて元気をくれて前へ向けてくれるのがサトシとピカチュウの存在。どんな相手ともこういう関係になれたら最高です」と笑顔で言い切り、「飼い猫とかを見ているとそう思いますが、それだけでなく未来の旦那様はサトシみたいな男や、ボルケニオンみたいな熱さの男がいい」と思いをはせる。
最後に今作の見どころを「心の描き方がとってもすてきで、それぞれの人生がそれぞれの視点で見た大冒険でありRPGであると思うと、ポケモン720匹がみんな違ってみんな主役になれるし、人間たちが人間くさいというところも『ポケモン』の魅力」と持論を語り、「失敗が失敗じゃなくて、それを踏まえての未来があるから、もっと大きな夢につながる。これを見て泣かない人はいないのではというぐらい、今作はすごいです!」と太鼓判を押した。映画は全国で公開中。
<プロフィル>
1985年5月5日生まれ、東京都出身。2002年に芸能界デビューして以来、数多くのテレビ番組に出演し人気を集める。04年11月から始めた公式ブログ「しょこたん☆ぶろぐ」でも人気を博し、ブログブームをけん引。06年には歌手デビュー。そのほか、声優やイラスト、マンガ家にドラマ出演など、多方面でマルチな才能を発揮する。14年公開の「ヌイグルマーZ」で映画初主演を果たす。現在、「ポケモンの家あつまる?」(テレビ東京系ほか)で管理人役としてレギュラー出演している。
(インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)
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