MD松尾のゲームヒットランキング:19年9月は前年超えの好調 モンハン、スイッチライトがヒット

 TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さん。バイヤー歴10年以上の松尾さんは、その経験からソフトの特徴に合わせた商品展開を得意としている。ベテランバイヤーが毎月のTSUTAYAでのソフト販売ランキングを基に市場の動向を振り返る。

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 2019年の9月は、前年比約1.5倍と好調でした。内訳でいえばソフトが1.3倍、ハードが1.9倍と「ニンテンドースイッチ ライト」(任天堂)が発売されたこともあって、特にハードが好調でしたね。

 ソフト部門のトップは「モンスターハンターワールド:アイスボーン マスターエディション」(PS4、カプコン)でした。これまでのシリーズでいえば、いわゆる強化版の「G級」に近いポジションですが、ダウンロード版も合わせて好調で、想定以上の売り上げだったといえるでしょう。ただ、前作を持っている人は、「アイスボーン」だけあれば良かったわけで、前作「ワールド」が一緒になった新規ユーザー向けのマスターエディションも用意された上に、それぞれダウンロードカード版、パッケージ版ともに通常版、限定版があるということで、種類がありすぎてユーザーの混乱を招いた部分があったと思います。なお、発売後の評価が高いようで、前作よりも息の長い販売を記録しており、中古も品薄ですね。

 「ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めてS」(NS、スクウェア・エニックス)も手堅い販売を記録。こちらも「11」の強化版にあたりますが、購買層の約半数が「11」を楽しんだ熱心なドラクエファン。特に3DS版のユーザーがもう一度買い直したという印象で、スイッチ本体のけん引もあったようです。

 「ゼルダの伝説 夢をみる島」(NS、任天堂)は、手応えとしては一番良かった印象。想定を大きく上回りました。1993年に発売されたゲームボーイ向けタイトルのフルリメークになりますが、さすがに今のユーザーにとっては新作のイメージだったでしょう。3DSユーザーではなかった年齢層の高いスイッチユーザーを中心に新規層の取り込みにも成功しました。

 10月は消費税アップもあって、予測は難しいですね。消費ムードの落ち込みを想定してか、新作の発売も月末に集中しています。「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア」(PS4、SIE)、「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」(PS4、アトラス)、「ルイージマンション3」(NS、任天堂)などの予約が好調。ダークホースは「牧場物語 再会のミネラルタウン」(NS、マーベラス)か。「ディズニー ツムツム フェスティバル」(NS、バンダイナムコ)も良さそうです。

 ◇2019年9月のゲームソフトランキング(TSUTAYA調べ・限定版含む)

1位 モンスターハンターワールド:アイスボーン マスターエディション(PS4)
2位 ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めてS(NS)
3位 ゼルダの伝説 夢をみる島(NS)
4位 eFootball ウイニングイレブン2020(PS4)
5位 CODE VAIN(PS4)
6位 FIFA 20(PS4)
7位 DAEMON X MACHINA(NS)
8位 ボーダーランズ3(PS4)
9位 イース9 -Monstrum NOX-(PS4)
10位 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(NS)
11位 スーパーマリオメーカー2 (NS)
12位 WORLD WAR Z(PS4)
13位 Minecraft(NS)
14位 ライザのアトリエ~常闇の女王と秘密の隠れ家~(PS4)
15位 マリオカート8 デラックス (NS)
16位 ファイアーエムブレム 風花雪月(NS)
17位 ASTRAL CHAIN(NS)
18位 釣りスピリッツ switchバージョン (NS)
19位 ライザのアトリエ~常闇の女王と秘密の隠れ家~(NS)
20位 NBA 2K20(PS4)

 ◇プロフィル

 松尾武人(まつお・たけと) TSUTAYAゲームリサイクル企画グループ リーダー

 「GAME TSUTAYA」加盟約550店に新作ゲームの商品提案をするマーチャンダイザー。1996年から家電量販店でゲームのバイヤーを担当。2002年にTSUTAYA入社後も一貫してバイヤーの道を歩んできた。ネオジオCDを2台購入したほどの格闘ゲーム好きだったが、現在は携帯版ドラクエなどで遊ぶ日々が続いている。

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