アイドルグループ「日向坂46」のメンバーで、モデル、女優としても活躍する小坂菜緒さん。グループでは“エース”として存在感を発揮しているほか、6月29日にはファースト写真集「君は誰?」(集英社)を発売、4月からはソロでラジオ番組のパーソナリティーを務めているなど、個人としても活動の幅を広げている。今年3月に高校を卒業し、仕事に対してさらに「意欲が増した」と明かす小坂さんに、現在の心境やラジオ番組の反響などを聞いた。
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今年3月に高校を卒業した小坂さん。中学3年生のときにオーディションに合格し、高校1年生のときに上京して以来、学業と仕事、二つを両立させる日々を送ってきた。ただ、両立は思いのほか大変で、ときにはもどかしい気持ちを抱くこともあったという。
「ありがたいことに、たくさんのお仕事をいただいて。ただ、学業とアイドルを両立させるのが、意外と大変で……。学校に行かないといけないけど、お仕事にも行かないといけない、ということに対して、もどかしい思いが自分の中にあったんです」と当時の胸中を明かす。だが晴れて卒業したことで、そうした葛藤から解放された。
「毎日(どちらかの)課題に追われる、ということがよくあったんですが、それが一つなくなって、一つのことに集中できるようになったので、気持ちがすごく軽くなったと思います。平日、学校に行くことがなくなったので、ちょっとお仕事について考える時間が作れるようになったことは、自分の中でプラスになっているんじゃないかなと感じます。(仕事への)意欲が増しました」と晴れやかな顔をみせる。
そうした環境の中、4月からはソロでパーソナリティーを務めるTOKYO FMのラジオ番組「星のドラゴンクエスト presents 日向坂46小坂菜緒の『小坂なラジオ』」がスタートした。回を重ね、ひとりでゆったりと話すことができるラジオの時間に手応えを感じているという。
「聞いている方々に楽しんでいただきたいなという思いが強くあるので、話す内容は、なるべく分かりやすく、理解しやすいようにお話ししようという意識を持って話しています。自分が話したいこと、みなさんと共有したいことを多く取り入れて。『聞いていてリラックスできる』『休憩時間に聞いて楽しんでいる』という言葉を聞けることが一番うれしいし、やりがいがあります。いろんな人とお話ししながら進めるラジオもいいけど、自分でゆったりお話する時間も、充実できているのかなと感じます」
ラジオでパーソナリティーを務めたことで、周囲から「イメージが変わった」という声を聞く機会も増えた。「今までは、クールな感じ、おとなしい感じと言ってもらうことが多かったんですけど、本当はおしゃべりが好きだし、明るいと思うんです。でも、そういうところをなかなか出せなかったんです。それがラジオを通して、本当はおしゃべりが好きなんだよ、という一面を出す機会ができた。みなさんの声を聞いて、親近感が湧くポイントになったのかな、と思いました。『意外と人間味のある人なんだ』と言われることもありました(笑い)」と楽しげだ。
公式ブログでも、仕事の告知にとどまらず長文で思いを表現することがある。ラジオやブログは素の部分が出せる場所だといい、「文字だけや声だけとかというのが、一番話しやすいように話せる場」と明かす。「言葉って、ちゃんと書かないと伝わらないのが面白いなと思います。自分のイメージしている物事を、どう言葉にしたら伝わるか、考えることが好きなんです。分かりやすいように、難しい事柄をいかに簡単に書くかを追求することが一つの楽しみです。長く書こうとしているわけではなくて、書いているうちに自然と長くなっていた、というパターンが多いです」と笑みを見せた。
ラジオでは、尊敬する人として元「乃木坂46」の西野七瀬さんの名前を挙げていた。アイドルを軸に、モデル、女優と活躍する自身の姿は、西野さんの道のりとも重なる。「ファン目線」で西野さんを見ていたという小坂さんは、自身も「アイドルになったら、モデルと女優にも挑戦してみたい」と思っていたといい、「乃木坂46が好きで、『non-no(ノンノ)』を読んでいたら西野さんも(専属モデルとして)出ていて……とつながっていたんです。だからこそ、『目標にしたいな、いろいろ学びたいな』と思った方です」と西野さんへの思いを語る。
同年代では、同じ「Seventeen(セブンティーン)」モデルで同い年の桜田ひよりさんと仲が良いことが知られている。桜田さんは以前、小坂さんについて「大人っぽくて、このお仕事に対して誇りを持っている女の子」と評しており、存在が刺激になっていると話していた。小坂さんにも桜田さんの印象を聞いてみると、「ひよりちゃんが子役で出ていたドラマをめちゃくちゃ見ていたので、初めて会ったとき『あのドラマ見ていました』から入りました(笑い)。そのときから、表現することがすごくすてきな人だと思っていて。仲良くなっていろいろ話すようになり、テレビで見ていたときより明るいと思うようになりましたけど、お仕事をしているときのひよりちゃんの姿は別人のようで、カッコいいなと思います」と明かす。
ソロでの活動、そして軸となるアイドルとしてのグループでの活動と、両輪で活躍する小坂さん。アイドルとしての楽しさを感じるのは、「ファンの声援を聞けるとき」だという。「ファンレターをいただいたり、あの番組よかったよ、あの雑誌よかったよ、という声を聞けるときが、アイドルをやっていてよかったと思う瞬間。こういうお仕事をしていないと、こんなにはっきりと人から応援されることってなかなかないと思うので、『今自分、すごく充実しているな、幸せだな』と思える瞬間です」とほほ笑む。
コロナ禍の今、アイドルとしてはなかなか思うように活動ができない状況だが、「でも、その中でいかにみなさんに楽しんでいただけるかが大事になると思うから、試行錯誤を続けながら、みなさんにより楽しんでいただけることを目標に、頑張っていきたい」とポジティブに前を見据える。ソロの活動についても、「ラジオが始まったり、映画(6月18日公開の『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』)の公開もあったり、ありがたいことにいろいろなお仕事をいただけるようになって。幅広く自分を見ていただける機会が多くなったので、だからこそ、もっと自分の魅力を伝えていける活動ができるよう心掛けていきたいなと思います」と力強く語っていた。
写真集「君は誰?」はA4変型判、144ページ。価格は2200円。
※スタイリスト/北川沙耶香 ヘアメーク/中軍裕美子
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